崎陽軒3代目社長・野並直文氏に聞く100年経営論|株式会社崎陽軒 野並直文|ヒラメキから突破への方程式|SUPER CEO

ヒラメキから突破への方程式

崎陽軒3代目社長・野並直文氏に聞く100年経営論

株式会社崎陽軒

取締役社長

野並直文

写真/芹澤裕介、崎陽軒 文/編集部 | 2017.04.17

2008年で創業100年の節目を迎えた株式会社崎陽軒。創業から親子3代で引き継いできた経営のバトンは、決して軽くない。そんななか、現社長で3代目の野並直文氏は、“伝統を積極的に解釈する”という心意気で次の100年を見据える。

株式会社崎陽軒 取締役社長 野並直文(のなみ なおぶみ)

1949年生まれ。1971年、慶應義塾大学商学部卒。1980年、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。学生時代から崎陽軒でアルバイトをする。1972年、23歳で株式会社崎陽軒に入社。31歳まで弁当やシウマイ作りなど現場で経験を積み、1979年に取締役に就任。1991年、42歳という若さで取締役社長に就任、崎陽軒3代目社長に。引き継いだ借入金約20億円をゼロにしている。

伝統を積極的に解釈する

「先輩が残したシウマイやシウマイ弁当をつくり続けるだけでは、消極的にしか伝統を継げません。これからさらに100年続く会社になっていくためには、積極的にチャレンジする姿勢が大事だと考えます」

崎陽軒の経営理念には「常に挑戦し『名物名所』を創りつづけます」とあり、それは初代、先代が目指してきた名物・名所づくりを自分たちも目指そうという思いを表したものだ。その言葉通り、野並氏のチャレンジする姿勢は社長就任から変わらず、着実に実を結んでいる。

1996年に横浜駅東口に建てた崎陽軒本店ビルはランドマークとして人々に親しまれ、また、横浜にあるシウマイ工場は見学に訪れる人で連日満員。予約は現在3か月待ちだという。

そして、昨年11月にオープンした東京駅の「横濱 崎陽軒(シウマイBAR)」も新名所になりつつある。さらに野並氏は、新たな横浜名物として“お菓子”に可能性があるのではないかと研究に意欲を燃やしているという。

経営者は経営のプロフェッショナル

100年続く企業には、ほかにも理由があるはずだ。それを知るべく、野並氏に「経営者とは何か」と問いかけると、「専門職である」という答えが返ってきた。

「医師や弁護士には国家資格があります。誰が見ても明らかなプロです。しかし、企業経営者にはそういう免許のようなものがありません。では、誰でも経営者になれるかというと、決してそんなことはない。

やはり経営者には戦略的な発想やマーケティング力、財務の知識、人材育成のスキルなど幅広い分野の専門性が不可欠です。そういう意味で、経営はプロフェッショナルな仕事なのです」

崎陽軒の3代目として、生まれたときから会社を継ぐ運命にあった野並氏は、常に“経営”を意識してきた。そうするなかで、経営者にとって最も重要なスキルはマーケティング力であるとの思いを強くしていく。

「初代は『列車の中で食べるものだから』とシウマイをひと口サイズの小粒にしました。マーケティングという言葉さえなかった時代に、徹底した顧客目線があったからこそ、シウマイやシウマイ弁当は横浜名物になり得たのだと思います」

「昔ながらのシウマイ 15個入」(620円税込)

「シウマイ弁当」(830円税込)

オンリーワンからナンバーワンに

野並氏が今から約7年前に全国展開していたシウマイ販売をやめ、横浜近郊でしか売らないと決めたのもマーケティングの結果だ。徹底したローカル主義へのシフトによって、「横浜といえば崎陽軒」というイメージの定着が促進され、ご当地グルメとしての価値が強化された。

「ローカルに絞って販売するようになったことで、逆に遠くからもお客様に来ていただけるようになりました。

ナンバーワンを目指すだけが経営ではありません。面白いもので、オンリーワンを追求していると、やがてその先にナンバーワンの道が開けていくのです。私があえてローカル戦略を選んだのもそのため。

この崎陽軒のブランドを信じて、これからも100年企業だからできることにどんどんチャレンジしていきます」

■ブランド力の源は“ローカル主義”「崎陽軒」3代目の経営戦略┃ヒラメキから突破への方程式【株式会社崎陽軒 取締役社長 野並直文氏インタビュー】

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