写真/芹澤裕介 文/竹田 あきら(ユータック) | 2023.03.09
有名タレントを広告に起用することで、商品やサービス、企業の認知度・好感度アップを狙う広告手法は以前からある。テレビCMの他、交通広告や屋外広告などのOOHメディアに有名タレントが登場しているのは、その典型だ。タレントを活用した広告が高い効果を発揮するのは、ビジネスパーソンなら誰も疑わないであろう。
ただ、有名タレントを自社の広告に起用できるのは、大手企業に限られてきた。理由は簡単、広告出演料を含め、莫大なコストを必要とするため、資金力がない中小企業には、費用対効果が思うように得られないなどの高いリスクが伴い、ハードルが高かったのだ。そうした、これまでのタレント起用の常識を破ろうとしているのがタレントサブスク「アクセルジャパン」なのだ。
「初期費用0円の定額制でタレントの肖像を自社の広告に活用できるサービスです。現在、ヒロミさん、名倉 潤さん、佐藤 隆太さん、板野 友美さん、篠田 麻里子さん、上地 雄輔さん、鈴木 杏樹さんの7名のタレントが、アンバサダーとしてアクセルジャパンに参加してくれています。今後もアンバサダーは順次増える予定です。幅広い業種・業界で活用してもらえるように、全世代に好感度が高いタレントを選んで交渉しています」(株式会社ブランジスタエール 代表取締役・井上 秀嗣)
タレントを広告に起用すると、ユーザーに与えるインパクトが、段違いに大きい。テレビを中心に広告に著名人を使うのは、オーソドックスな手法。翻すならば、それは効果が証明されているということ。実際に、アクセルジャパンに参画する企業の販促効果は上がっているという。
「クリック率やコンバージョンレートの上昇は実証済みです。日本の大手企業は全体の0.3%に過ぎません。99.7%を占める中小企業が、アクセルジャパンのターゲット。タレントを自社の広告に起用したくても、それが叶わなかった企業の願いを、アクセルジャパンが実現します」
企業がプロモーションにタレントを起用するに際して、アクセルジャパンが画期的なのは、アンバサダーであるタレントの汎用性ある写真・動画素材を多数用意している点だ。アクセルジャパンへ参画する企業は、その素材を自社で制作するホームページや動画に組み入れるだけで、タレントをプロモーションに登場させることができる。
「タレントを起用して広告を作るとなると制作に半年はかかります。タレントと直接契約すると、企業は自社の製品を差し置いてタレントをメインに使いがちです。先に使い方が決まった素材になっていることで、自社の製品・サービスをメインにしながら、タレントの存在で広告やホームページにアクセントを付けられます」
タレントの素材は使い放題。服装やポーズは多数のバリエーションがあるため、用途は広い。動画も種類豊富で、PRに使いたくなるようなセリフが採用されている。しかも、自社にかかわる3業種まで使える。多角経営する企業にとっては、コストパフォーマンスがぐっと高くなる。
「ブランジスタの親会社にあたるネクシィーズグループは、LEDの導入支援などで全国の中小企業、約10万社との取引があり、中小企業のニーズを細かく把握しています。多角経営する中小企業は多く、自社のグループ全体でタレントを起用できることで、会社として一体感も演出できます」
“プロモーション革命”を掲げてスタートしたアクセルジャパン。サービス名が示すとおり、日本の成長を加速させるのが、ミッションだと捉えている。「成長企業と新しい日本をつくる。」、これがアクセルジャパンの事業テーマだ。
「失われた30年といわれているように、日本経済は長期の低迷を続けています。その低迷から抜け出す鍵は『中小企業の活性化』だと考えます。日本の企業の大部分を占める中小企業が盛り上がることで、日本は新たな成長を成し遂げられます。業績拡大、成長加速に対する支援策は、いくつも考えられます。ブランジスタとしては、コンサルティングや資金援助のような間接的なサポートではなく、事業を直接、支援するためのサービスを作りたいという想いがありました」
メディアを運営しているブランジスタは、有名俳優が多数出演する電子雑誌の発行をしており、15年以上の長きにわたってタレント事務所と関係をつくってきた歴史がある。アクセルジャパンへの参加を依頼する際は、「成長企業と新しい日本をつくる。」というコンセプトをタレントに伝えた上で、アンバサダーになってもらっているそうだ。
「アクセルジャパンは中小企業と広告起用を希望するタレントのマッチングサービスという側面もあります。タレント側からみれば、アクセルジャパンに参加するメリットは安定的な収入を確保できること以外にもたくさんあります。アクセルジャパンのアンバサダーになって、さまざまな企業の広告に起用されれば、タレントの信用力アップになり、テレビCMなどの個別契約にもつながる可能性もあります」
2023年1月、経済産業省 中小企業庁による「令和4年度中小企業施策の広報物の制作等事業」にアクセルジャパンが採用され、アクセルジャパンアンバサダーを活用したPR事業を3月よりスタートした。
「アクセルジャパンを活用して、経済産業省 中小企業庁のPR事業を実施します。経済産業省 中小企業庁では、IT導入補助、新規輸出中小企業1万者支援プログラムなど、さまざまな中小企業施策を用意していますが、より多くの中小企業に対して訴求力の高い広報が必要であるという考えのもと、中小企業施策の存在を全国の企業にPRしていきます。アクセルジャパンでタレントを起用することで、PRにおける訴求力アップが期待できます。また、経済産業省 中小企業庁の施策と共にアクセルジャパンのサービスも広く周知できるチャンスだと捉えています」
なお、アクセルジャパンの参画企業は、ネクシィーズグループが2011年から活動を続けている、会員数4,200名を超える日本最大級の経営者交流団体「パッションリーダーズ」が実施する、すべてのプログラムを無料で利用できる。このパッションリーダーズが主催するセミナーも、2023年4月から経済産業省の後援を受けることが決定している。
「パッションリーダーズでは、一流経営者によるセミナーや経営者同士の情報交換、懇親、マッチングの場を提供しています。さらに、学ぶ・楽しむなどさまざまなジャンルのイベントも用意。アクセルジャパンを活用する企業にも、パッションリーダーズを通じてビジネスの成長機会を掴んで、自らも一流の経営者になってほしいと願っています」
ブランジスタやその親会社であるネクシィーズグループは、常に圧倒的ナンバー1を目指して数々のブレイクスルーを成し遂げてきた。そのために、ベンチャーマインドを忘れず、スピード感を大切にして事業を成長させてきた。アクセルジャパンのサービス名には、圧倒的なスピードでビジネスを加速させるという想いも込められている。
「ブランジスタは、メディア運営、Webマーケティング、クリエイティブ制作のノウハウがあり、ネクシィーズグループには営業力があります。当グループのシナジーを最大限に生かして、アクセルジャパンを広めたいと考えています」
アクセルジャパンは、その推進力と豊富な経験量をもって、日本経済のアクセルになるはずだ。
vol.56
DXに本気 カギは共創と人材育成
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社
代表取締役社長
井上裕美