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リアルな感動体験とDXで実現する新しい住宅塗装

株式会社郡山塗装

文/藤堂真衣 | 2023.05.23

建物の外壁塗装といえば、熟練の職人たちの技が光る業界。長年をかけて磨き上げた技術こそが何よりものを言うと思うだろう。

もちろんそれは正解だ。しかし、そんなアナログな業界で、デジタルの力を使った新しいマーケティングに乗り出した企業がある。それが、福島県で事業を展開する株式会社郡山塗装だ。

株式会社郡山塗装  

1928年創業。建物のリニューアル塗装に特化した総合仕上げ事業を展開し、技術と人間力を磨き続ける。自らを“老舗ベンチャー”と名乗り、社員の半数を20代の若手が占めるのも特色の一つ。福島県内での塗装工事完成高は9年連続で1位。

塗装専門ショールームで“塗装のスゴさ”を体感

郡山塗装がマーケティングする上でターゲットにしているのは、住宅の屋根や外壁の塗装にこだわりを持ち、高機能や高品質の商材にも興味を持つアッパーミドル層。

エネルギー価格が高騰する近年は、外壁や屋根の温度上昇を抑制する遮熱機能の高い塗装工事のニーズが高まっており、また、花粉や黄砂などの飛散増加によって外壁の汚れを防ぐ低汚染機能をもった塗料に興味を持つ顧客も増えている。同社が扱う塗料の中には、限られた業者だけが扱える塗料も少なくない。また、表面の塗装を長持ちさせるために丁寧な下地処理にこだわるなど仕事ぶりにも定評があり、住宅にこだわる多くの顧客の心をつかんでいる。

こうした同社の塗装のスゴさを体感できるのが、県内に複数展開する塗装専門のショールームだ。実際に目で見て、手で触れることで得られる情報は濃度が違う。塗料の違いや郡山塗装の技術の高さを直接感じてもらうことで、安心を提供できれば、と同社は考えている。ウェブで商品を選ぶのが当たり前の現代においても、様々な選択肢を提示しながら実際に確かめられるショールームは、顧客体験を高める一つの有効な施策といえるだろう。

ショールームでは、様々な機能性をもった塗料が展示されており、実際に目で見て触って違いを確かめることができる。

DXや業務効率化にも積極的

1928年創業の郡山塗装は老舗として確かな技術と接客に磨きをかけている一方、社風はベンチャースピリッツにあふれている。屋根や外壁の塗装にあたる熟練の職人、顧客ニーズをつかんで最適な提案を行う営業担当者は半数以上が20代で、若い力が牽引しているといっても過言ではない。

DX(デジタルトランスフォーメーション)にも積極的で、SNSやYouTubeなどでの情報発信をはじめ、ドローンによる屋根上部の検査・診断、3DCADによる診断報告書の作成、カラーシミュレーションを活用したデザイン提案など、業務効率化を図るとともに、顧客へのよりよいプロダクト提供のためにデジタル技術を取り入れている。

ドローンによる屋根上部の検査・診断

屋根塗装のカラーシミュレーション

塗装ビジネスをエンタメに!新たなマーケティングを常に模索

郡山塗装によると、実は近年、住宅塗装の件数が減少しているという。長年のデフレやエネルギー等の高騰などの影響で消費が冷え込んでいるのは明白だが、郡山塗装ではこうした逆境が続くことを見越して常に新たな顧客獲得の道を探り続けている。

次の一手として、タレントを起用した新たな集客にもチャレンジ。これまでに獲得できていなかった層へのアプローチにも乗り出し、その反響にさっそく手応えを感じているという。「塗装」という事業を通して顧客に楽しみやエンターテインメントを提供する姿勢は、創業90年を超える老舗企業でありながら、まさに“ベンチャー”そのものだ。


 

株式会社郡山塗装
福島県郡山市喜久田町卸3丁目38-1
Tel:024-963-1450(代表)

»公式ホームページ

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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