“超”私的エクストリームな瞬間

【アーバンクルーズ】

みなの喜ぶ顔が見たいから 最高の演出を考えたい

株式会社ネクシィーズグループ

代表取締役社長兼グループ代表

近藤 太香巳

写真/松井康一郎 文/薮下佳代 | 2013.08.12

SUPER CEO 自ら操縦するクルーザーで、レインボーブリッジやお台場などの夜景を東京湾から楽しむ「アーバンクルーズ」。月に1度、この夜の東京散歩を社員へプレゼントしている近藤社長は、「社員たちの喜ぶ顔が見たい」と、船を買い、自ら免許も取ったという。近藤社長がこのクルーズに秘めた思いとは?

株式会社ネクシィーズグループ 代表取締役社長兼グループ代表 近藤 太香巳(こんどう たかみ)

1967年11月1日生まれ。19歳のとき、50万円を元手に会社を創業。34歳でナスダック・ジャパン(現ジャスダック)へ株式上場し、37歳で2004年当時最年少創業社長として東証一部に上場。2015年グループ2社目が上場を果たす。エネルギー環境事業、電子メディア事業、経営者交流団体「パッションリーダーズ」のいずれも日本一の規模にまで拡大。新プロジェクトであるセルフエステBODY ARCHI(ボディアーキ)を全国に展開中。常に新しい事業領域にチャレンジを続け、ビジネスパーソンから若者まで情熱あるリーダーとして圧倒的な支持を得ている。世界的経済紙・Forbes(フォーブス)による『Forbes Asia’s 200 Best Under A Billion 2018』に選定。『JAPAN VENTURE AWARD 2006』最高位経済産業大臣賞受賞。『シーバスリーガル ゴールドシグネチャー・アワード2019 Presented by GOETHE』ビジネスイノベーション部門受賞。2020年、業界をリードする環境先進企業として、環境大臣より「エコ・ファースト企業」に認定。

新木場にある「東京夢の島マリーナ」には、大小さまざまなクルーザーやモーターボートが停泊していた。日が暮れようとしているまさにその時、フェラーリに乗って颯爽と登場した近藤社長。その出で立ちは、いつものビジネススタイルではなく、さわやかなマリンルック。手にはキャプテン帽まで! なんと今から近藤社長自らが運転するクルーザーで、東京湾の夜景を楽しむ「アーバンクルーズ」へと出かけるのだという。

船の大きさは29フィート、10人乗りのこのクルーザーは、流線型のフォルムがいかにも速そうな印象。実際、一目見て気に入った近藤社長はすぐに購入を決めた。船体にはネクシィーズのコーポレートカラーであるブルーが施され、社員が輝くようにという思いから「Blue Stars」号と名付けられた。

自ら、愛艇「Blue Stars」の舵をとる近藤さん。通い慣れた東京湾のビューポイントへは、「目をつぶっても行けますよ」と、余裕しゃくしゃく。

月に1度の社内表彰で選出された全国の成績優秀社員たちと一緒に、この船で「アーバンクルーズ」を楽しむ。「レインボーブリッジをくぐって、お台場を通り、東京湾のきらめく夜景を見ながらシャンパンで乾杯! 東京ならではの絶景を海から堪能する」という夢のようなひとときは、近藤社長のもとで働く社員たちにとって、明日からの活力となる夢を見させてくれる大事な時間に違いない。

「僕が初めて、ある社長にこの景色を見せてもらった時、あまりにもきれいで感動して。これは社員にも見せたいなと思って、免許を取って、船を買ったんだよね」

東京湾を散歩するには、橋がいくつもあり、その下を通るには船が大きすぎてもいけない。最高の夜景スポットまで猛ピードで20分、天王洲アイルのレストラン「T.Y.HARBOR」へ船で停泊できて、行こうと思えばすぐに動ける気軽さも必要だ。船のゴージャスさではなく、あくまでこれらの条件をクリアできるぎりぎりの大きさの船を選んだ。

「僕の友達は大きな船を持っている人が多くてね。けれど、クルーが数人必要だから、乗りたいと思った時にすぐ乗れないし、使い勝手がよくない。昼間の湘南もいいけれど、夜のアーバンクルーズのほうがある意味贅沢。波もなく、真っ暗なところを走ることもなく、光り輝く世界がある。どんな接待よりも、最高の演出ができるんだ」

お気に入りのデスティネーションは、天王洲アイルのレストラン「TY HARBOUR」。夜景を見ながらのおもてなしは、誰もが喜んでくれるのだとか。

とはいえ、船の免許まで持ってる経営者は少ないはず。「自分で運転したい」と近藤社長がこだわるのは、「人が喜ぶ顔がみたい」という、その一途な思い。

「ホストとして社員をもてなすことを考えた時に、楽しいことを体感させてあげたい。自分が接待するなら、最高の演出家でありたいよね」

キャプテン帽は社員みんなからのプレゼント。船の乗船時、社員に向けてこう話す。「いまから社長じゃなくて、キャプテンだよ」と。近藤社長は生粋のエンターテイナーだとつくづく感じる。

「幸せはなるもんじゃなくて、感じるもの。たとえば、車を何台も持っていても乗らなければ楽しくないじゃない? 自分の幸せはなんなのかを考えると、自分にとっての必要なものがわかってくる。それが僕にとってはアーバンクルーズに最適な、この『Blue Stars』号だったんだよね」

真剣に楽しみ、真剣に遊ぶ。そのためには「徹底的に戦略を練って、演出する」。さすがはSUPER CEO、遊びも戦略的なのだ。

「相手のことを想像して、どうやったら喜ぶか?を、とことんまで考えるわけ。だからホスピタリティって本来、作為的なもの。けれど徹底すれば、それは演出になっていく」

そんな近藤社長は「大切な人の記憶に残りたい」という。「Blue Stars」号の船体に書かれた「Takami's Family」の文字にも、その心が現れていた。

「歴史に名を残したいというCEOもいると思う。でも僕は大切な人の記憶に残りたい。社員や仲間が、出会ってよかったなとか、人生が変わったなとか、刺激を受けたなとか、楽しかったな、とかね。そう思ってもらえる男になりたい」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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