“超”私的エクストリームな瞬間

【歌】

本気の歌が 人を感動させ、絆を深める

株式会社ネクシィーズグループ

代表取締役社長兼グループ代表

近藤 太香巳

写真/芹澤裕介、動画/トップチャンネル、文/高橋光二 | 2017.01.25

『夢は大空へ』という曲でCDデビューしたこともあり、「生まれ変わったら、歌手になりたい」と歌に情熱を傾ける近藤太香巳氏。また、「ヤンチャーズ」というバンドでもヴォーカルを務める近藤氏に、歌うことの魅力や歌の持つ力について聞いた。

株式会社ネクシィーズグループ 代表取締役社長兼グループ代表 近藤 太香巳(こんどう たかみ)

1967年11月1日生まれ。19歳のとき、50万円を元手に会社を創業。34歳でナスダック・ジャパン(現ジャスダック)へ株式上場し、37歳で2004年当時最年少創業社長として東証一部に上場。2015年グループ2社目が上場を果たす。エネルギー環境事業、電子メディア事業、経営者交流団体「パッションリーダーズ」のいずれも日本一の規模にまで拡大。新プロジェクトであるセルフエステBODY ARCHI(ボディアーキ)を全国に展開中。常に新しい事業領域にチャレンジを続け、ビジネスパーソンから若者まで情熱あるリーダーとして圧倒的な支持を得ている。世界的経済紙・Forbes(フォーブス)による『Forbes Asia’s 200 Best Under A Billion 2018』に選定。『JAPAN VENTURE AWARD 2006』最高位経済産業大臣賞受賞。『シーバスリーガル ゴールドシグネチャー・アワード2019 Presented by GOETHE』ビジネスイノベーション部門受賞。2020年、業界をリードする環境先進企業として、環境大臣より「エコ・ファースト企業」に認定。

「ヤンチャーズ」を結成したのは、10年ほど前。モスフードサービスの櫻田厚社長とカラオケのあるバーで食事をしている時、「タカミ!バンドを組もう。ヴォーカルをやってくれないか」と頼まれたことが始まりだという。5~6名のメンバーは、リーダーでギター担当の櫻田氏はじめ経営者ばかり。活動としては、年に1度だけクリスマスライブを行っている。

「みんな忙しいから、練習は直前に3回ほどやるだけ。練習で完璧にキマったことはないけれど、ライブではいつも完璧。本番に強いんです」と近藤氏は語る。

モスフードサービスの櫻田社長らとともにバンド「ヤンチャーズ」を結成し、毎年クリスマスライブを行っている。

16歳の頃から歌うことが好きだった近藤氏は、当時、ヤマハのコンテストで最終選考に残るほどの才能の持ち主。その最終選考は、大好きだったバイクツーリングの約束と重なったため不参加。「もし参加して優勝でもしていたら、今頃は売れない歌手になっていたかも。参加しなくて良かった」と笑う。以来、カラオケで好きな歌をよく歌い、救われたこともしばしばあったそう。近藤氏は次のように述懐する。

「19歳で実業家になり、たくさん苦しい思いもしてきました。ある時、ひどく落ち込んでいた際に、長渕剛さんの『人間になりてえ』という曲の歌詞が心に染み込んできたのです。“どうせ描くならどでかいどでかい夢を描けそのかわり涸れ果ててしまうほどの声で泣け”。それを聞いて、夢をもったらどんなに辛いことがあっても仕方がない、前を向いて進むしかないんだという勇気をもらえたんです」

良い時も悪い時も、その時々の感情にフィットする歌が近藤氏の口をついた。励まされ、慰められ、教えられたのだ。

近藤氏といえば卓越した企画力と営業力でネクシィーズ・グループを牽引していることで知られているが、その営業トークも歌によって磨かれているそう。歌は、歌詞やメロディ、リズムが決まっている。しかし、同じ歌でも歌い手によって異なるものになる。営業も同じだというのだ。

「同じ営業トークでも、リズミカルに話したり、思いを込めて話すのと、そうでないのとでは大違い。そんなところも勉強になる」と語る。

世界的オペラ歌手中丸三千繪氏のコンサートの際に、ステージに呼ばれ、自身の曲『夢は大空へ』を披露したことも。

また、大阪出身の近藤氏は、人を楽しませることにも徹底的にこだわる。みんなでカラオケをする時は、その場の雰囲気を盛り上げることに誰よりも気を配るのだ。

「よく、人が歌っている時に隣の人とおしゃべりをして聞いていない人がいますね。そういう人を見ると、その場を楽しいものにしようといった気遣いができないのかなと疑問に感じてしまいます。自分さえよければ、という人であることが、そういうところに表れてしまうんだと思います」

そう熱く語る近藤氏の得意なナンバーに、ゆずの『栄光の架橋』がある。この曲について、ノンフィクション作家の小松成美氏が書いた『熱狂宣言』(幻冬舎刊)の最後に、印象的なシーンが書かれている。

本書は、近藤氏の大親友であるダイヤモンドダイニング社長の松村厚久氏について書かれており、若年性パーキンソン病に苦しむ松村氏が夜、ベッドで「これ以上は無理だ」と思わず叫んだ時、ふとこの『栄光の架橋』が聞こえてきたというのだ。

普段は非常に明るく、人を楽しませることに無類のパワーを傾ける松村氏は、全くの正反対に、誰に知られることもなく難病との闘いに心が折れそうになっていたのだ。そんなどん底にいる松村氏を救ったのが、近藤氏と松村氏が何度も歌った『栄光の架橋』だった。

「同著を飛行機の中で読みました。最初の数ページ目から、松ちゃんが重病に罹っているという衝撃の告白が始まります。人前でしたが、普段はあれだけみんなを楽しませているのに、陰ではそんな辛い思いをしていたのか、と涙を禁じ得ませんでした。そんな彼を僕が教えた歌が勇気づけたのなら、こんな光栄なことはありません」

まさに近藤氏が、“歌の力”というものを感じた瞬間である。最後に、読者に次のようなアドバイスを送る。

「後輩とカラオケに行って『こいつ、ええな!』と思える瞬間が2つあります。1つは、僕が知らない曲で場を盛り上げてみんなを楽しませる時。もう1つは、実に良い詞の曲を歌う時です。そんな詞の曲を選ぶところに、才能を感じるのです。だから、歌の力を信じて、良い曲をたくさん歌って、人を感動させられる人になってください」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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