スーパーCEO列伝

DDホールディングス ROAD TO 1000億円

文/編集部 | 2018.08.10

第1号店「ヴァンパイア カフェ」から20年弱。得意の多業態と並行してチェーン展開を推進し、積極的なM&Aも奏功、DDHD(旧ダイヤモンドダイニング)は外食企業の壁といわれる売上高300億円を突破した。グループ18社を擁する船団は、松村厚久社長の舵取りで目下「売上高1000億円」の高みを目指す。ここではDDHDの沿革を、重要トピックスとともに振り返る。

DDホールディングス(旧ダイヤモンドダイニング)沿革

多業態とチェーン展開

2010年に前人未到の「100店舗100業態」を達成したダイヤモンドダイニングは、次の目標に「売上高1000億円」を掲げる。その戦略のひとつとして、2009年に設立したゴールデンマジック(代表取締役社長・山本勇太)による多店舗、チェーン展開を実施。スケールメリットによる徹底した収益化を狙う。

ゴールデンマジックは2017年に目標の「100店舗」を達成し、DDHD全体では国内外で約480店舗(2018年7月)を出店。現在は、「100店舗100業態」で培ったマルチコンセプトに加え、チェーン展開を軸にしたマルチブランドをマッシュアップした独自のブランドポートフォリオを形成している。

書籍で若年性パーキンソン病を告白

2006年頃、松村氏は原因不明の難病といわれる若年性パーキンソン病の診断を受ける。当時39歳。2015年、作家・小松成美氏が松村氏を取材したノンフィクション『熱狂宣言』(幻冬舎)の中で病気を告白した松村氏は、これまで以上に奮起し、DDホールディングスの業容拡大に向けてさらにM&Aを推進。


【パーキンソン病】
パーキンソン病は脳内で作られる神経伝達物質ドーパミンが減少することで体の動きをコントロールできなくなる指定難病。日本では人口1000人あたりに1~1.5人、約16万人 (平成26年、厚労省)の患者がいる。発症は60歳以降に多いが、稀に40歳までに発症すると「若年性パーキンソン病」と呼ばれる。


 

ホールディングス体制への移行

2017年9月にホールディングス体制へ移行し、ダイヤモンドダイニングからDDホールディングスへと社名変更した同社グループは、同社、連結子会社15社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社1社を含めて18社を擁する(2018年7月)。

同社の組織体制は、緩やかなかかわりを持つ航空アライアンスのような連合組織を描いており、M&Aによって子会社となった企業には基本的に大きな権限を与え、子会社が自由な活動を行うのが特徴。グループ企業に課すルールは、「コンセプトを外さないこと」「お客様に楽しんでもらうこと」「適正な利益を上げること」の3つだけだ。

“超友好的M&A”ともいうべき権限委譲は、代表取締役社長・松村氏の「各社の企業理念や企業文化は最大限尊重したい」という思いが表れたものだといえる。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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