運を磨くは“趣味”次第

CEOにとって読書は必須。本のなかであらゆる体験を

株式会社エスクリ

代表取締役執行役員社長

岩本 博

写真/宮下 潤、文/藪下佳代、三宅和歌子 | 2017.02.02

株式会社エスクリ 代表取締役執行役員社長 岩本 博(いわもとひろし)

1965年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、サントリー株式会社を経て、91年株式会社リクルート入社。結婚情報誌「ゼクシィ」の立ち上げに参画。以後10年間、営業の責任者として、集客や施設運営に関する企画提案を行う。03年株式会社エスクリを設立。10年東京証券取引所マザーズ市場へ上場。東京八重洲のオフィスビルやJR大阪駅の駅ビルに結婚式場を開業するなど、業界の常識にとらわれない新しいスタイルのウェディング会場を展開し、「ブライダル業界で最も成長している会社」として高い評価を得ている。

もともと本好きな岩本社長は「読書」も単なる趣味ではなく、ポリシーを持っている。多忙なCEOのこと、どうやってその時間を捻出しているのだろうか。

「“乱読”がいいと聞いたんです。目次を見て、自分が読みたいところだけページを開き、キーワードを拾い読みしていく。1時間もあれば、1冊読めてしまいます」

岩本社長は月に20冊、必ず読むと決めている。

「インプットが足りないと、アウトプットも足りなくなります。本はせいぜい高くても2000円ほど。そのなかでひとつやふたつ吸収できるものがあれば十分なんじゃないかと割り切っていますね」

社長室には常に本がびっしり。精読用に選び抜かれた本が並ぶ。

タイトルや新聞広告などで気になった本を手当たり次第購入。移動前には必ず書店へ寄る。

「品川駅の新幹線乗り場の小さな書店は品揃えがよくて、いつも利用しています」

そうして、面白かった本は精読用に取っておき、時間がある時にしっかりと読む。

「人は体験でしか大きくなれないんです。本のなかでなら、いろんなことを疑似体験することができる。だから忙しくとも本は必ず読んでほしい。そのきっかけは乱読でいいんです」

岩本社長のお気に入り。付箋が貼られ、何度も読み込まれた形跡が。

そんな岩本社長が大切にしている6冊をご紹介しよう。最近のヒットは、『秋元康の仕事学』。

「秋元康はやはり天才なんだなと思いました。今までの常識、価値観の反対をあえていく。ヒットを出す人ってこういう人なんだなと」。

つづいて、経営者になろうと思った原点が『竜馬がゆく』、ほかにも、ビジネス哲学を学んだ『勝てば官軍』、シンプルな言葉が心に響く「幸せの名言集」、いまだに迷うと読むという『ビジョナリーカンパニー』『道は開ける』『人を動かす』の3冊には特に付箋がびっしり。

「CEOは常に迷うし、常に悩む。これらの本は、僕にとってのバイブルですね」

SUPER CEO Back Number img/backnumber/Vol_56_1649338847.jpg

vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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