運を磨くは“趣味”次第

美味しい焼き鳥屋でのハイクオリティな体験が“感じる力”の源泉に

LINE株式会社

代表取締役社長

森川 亮

写真/宮下 潤 文/安西繁美 大野重和(lefthands) | 2013.06.10

LINE株式会社 代表取締役社長 森川 亮(もりかわりょう)

1967年神奈川県生まれ。日本テレビ放送網株式会社、ソニー株式会社勤務を経て、03年、NHN Japanの前身であるハンゲームジャパン株式会社に入社。2007年、NAVER Japan株式会社設立に伴い、代表取締役社長に就任。2012年のNHN JapanとNAVER Japan、livedoorのグループ3社経営統合を経て、13年4月、LINE株式会社代表取締役社長に就任。主要事業となる無料通話・メッセージアプリ「LINE」のユーザーが、世界で1.5億人を超え、いま最も成長著しい企業として注目を集める。

世界で1億5000万人以上のユーザーをかかえるLINEの森川社長の趣味はなんと「焼き鳥屋」。その理由を聞いてみると……。

「インターネットの世界で受け入れられている、クオリティの確かなものには、言葉や数字で説明できない部分があるんです。だから、あらゆるものに実際に触れ、体感を通じて人と深いコミュニケーションを共有できるようになることが必要。“感じる力”っていうのがとても大切ですね」

そんな森川社長のお気に入りの一軒が麻布十番にあるという。

「部下とふたりで仕事の話をする時は焼鳥屋を選ぶことが多いですね。相手を必要以上に緊張させる事もないし、カウンターで横並びになるので話もしやすいですし。

立場上、部下とふたりで食事という時はいい話ばかりじゃないんですよ。というか、キツい話をしなければならない事がほとんど。泣かれる事もあるくらい……」

カジュアルな中にも特別感のある焼き鳥は子供の頃からの好物。

美味しいものには、そんなシビアなシーンを中和させる力があるのだと森川さんは語る。

「美味しさって、言葉や数字のロジックでは表すことのできない、感性に訴えかけてくる体験ですよね。その体験を共有すると、相手との距離もグッと縮まるんですよ。

だから、食事も中盤にさしかかってきた辺りで、とっておきのレバーを勧めながら、『ところで……』と本題に入る。そうすると、相手も素直に話を受け止めてくれるし、本音が聞けたり話せたりするんです」

左が森川社長が味にお墨付きをつけるレバー。絶妙な焼き加減。 取材協力/串右エ門 TEL : 03-3457-7673

もっとも、事業が好調の現在の状況では、部下と焼鳥屋で話をする機会もなくなってしまったのだとか。

「食べ物に限らず、言葉で説明できないほどの高いクオリティのものは、五感を研ぎすませて自ら体験することが大切。それを重ねることで、感性が磨かれるんです。それは、自ずとビジネスにも反映されますね」

森川さんご自身も、今なお日々の生活では可能な限り“いいもの”に触れるように心がけているという。つまるところ、究極の仕事人間!?LINEの快進撃は、まだ始まったばかりのようだ。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

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