運を磨くは“趣味”次第

行く先々で“目利き”を持つことが実りある旅の秘訣

株式会社トランジットジェネラルオフィス

代表取締役社長

中村貞裕

写真/宮下 潤 文/藪下佳代 | 2013.12.10

株式会社トランジットジェネラルオフィス 代表取締役社長 中村貞裕(なかむらさだひろ)

1971年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、伊勢丹を経て2001年に「ファッション、建築、音楽、デザイン、アート、飲食をコンテンツに遊び場を創造する」を企業コンセプトに掲げ、トランジットジェネラルオフィスを設立。カフェブームの立役者としてカフェ「Sign」をはじめ、数多くのブランドカフェや「bills」などレストランの運営を約40店舗行う。ホテル「CLASKA」、大阪の「堂島ホテル」、「the SOHO」など話題のスポットを次々と手がけるほか、オフィス、商業施設のブランディングやプロデュースなどその仕事は多岐にわたり、常に話題のスポットを生み出すヒットメーカーとして日々精力的に活動中である。『中村貞裕式 ミーハー仕事術』が絶賛発売中。

今年だけで、北欧3か国、NY、ハワイ、ロンドン、シドニー、イスラエル、ウィーンなど10都市以上。その合間を縫って、日本各地も飛び回る、ジェットセッター中村社長。旅の半分はリサーチ。とはいえ、そこで訪れるトレンドスポットから、ちゃっかり仕事のヒントを探してくるあたりが、できる遊び人、もとい、できる仕事人ならではといえるだろう。

「僕の場合、旅の半分はお店やホテルがデスティネーション。行きたいお店があるから、泊まってみたいホテルがあるから行っちゃう、みたいな。行った先では、現地の“目利き”に会って、勧められるがままに見て廻る。ガイドブックも持たず、前知識もなく、その人のセンスにお任せするというのが僕のスタイル。意外に失敗しませんよ」

国内旅行用のレザーボストンバッグ。中には、スキンケア製品などコスメ周りを収納するポーチ(手前)と、替えのTシャツを畳んで入れるバッグインバッグ(奥)が。手前2つは友人でもある佐々木みみお氏のブランドのもの。

その土地のトレンドリーダーに付いて行けば、雑誌にもまだ載っていないような、カッティングエッジなスポットばかり見て廻れる。同じ時代の先端で遊ぶ、グローバルな人脈こそ、トレンドの仕掛人たる中村社長の財産である。

「その土地土地のキーパーソンに会えば、みんなが10回かかって見るところを1回で網羅できますから。さすがに夜通し遊んで歩いて、ふらふらになることもありますが」

羽田空港で「行ってきます!」。この日はスターフライヤーに乗って、福岡までのフライト。「美味いもの、食べてきますね」

ところで、世界中飛び回る中で、現地でのコミュニケーションはどうしているのだろう?

「実は、英語はスタッフにお任せで、僕はからっきしダメ。でもどこに行っても、その土地の有力者から肩を組まれて、『ベストフレンド!』といわれるのが特技なんです(笑)。つまり、互いに『いい』と思うものが同じだと、言葉じゃなくて感性が通じるワケで。

彼が薦めたものを僕もすごくいいと思ったら、そこでセンスの信頼関係が生まれる。センスに国境はナシ。その先、ひょっとして友情からビジネスが始まるかどうかは、感性を共有できるかどうかが大切なんですね」

貯まったマイレージも使い切れないほど、多忙な日々。けれどもここで、また意外なコメントが。「ホテルや飛行機の中では、なぜか仕事がはかどるんですよ」。遊びと仕事のバランスを取る達人。中村社長に脱帽である。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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