運を磨くは“趣味”次第

気がつけばジェームズ・ボンドに英国紳士学を学んでいた

ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ株式会社

代表取締役社長

田窪寿保

写真/伊藤 勇、文/藪下佳代 | 2017.02.02

ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ株式会社 代表取締役社長 田窪寿保(たくぼとしやす)

1966年東京生まれ。ヴァージンアトランティック航空日本支社を経て、1999年グローブ・トロッタージャパン株式会社代表取締役に就任。2004年英国グローブ・トロッター社取締役副社長として英国に赴任 (ジャパン社社長兼任)。2006年帰国後、英国ブランドの専門商社、BLBG(ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ)株式会社代表取締役となり、現在に至る。2009年、ブランドビジネスとして日本では初の業態となる、ブランド・アーケードショップ「ヴァルカナイズ・ロンドン」を、東京・南青山の骨董通りにオープン。“良いものを一生使い続けることが本当のラグジュアリ―”という英国の伝統的な価値観を提案している。映画「007」のファンであり、著書に『ジェームズ・ボンド 仕事の流儀』『ジェームズ・ボンド「本物の男」25の金言』(いずれも講談社)がある。

2012年公開の映画「007 スカイフォール」のワールドプレミアに招待されたという田窪社長は、英国王室御用達の老舗テーラー〈ギーブス&ホークス〉で1年かけてビスポークし、ディナースーツを仕立て上げた。生地や裏地、ラペットの形や袖口など、あらゆるディテールにまで、ジェームズ・ボンドへの愛が詰まっており、わかる人だけにはわかる、こだわりの逸品だ。

「やりたいことをぜんぶ詰め込みました。『007』に憧れていた自分も、いつしかジェームズ・ボンドの年齢を越えていた。これは、そんな自分にとって、ここまできたという証でもあり、ご褒美でもありますね」

選ばれし紳士が集う、ワールドプレミアのアフター・パーティで。シャンパーニュはもちろんボランジェ、会場にはボンド・カーも展示されていた。

まさに英国紳士の精神である“アンダーステイテッド・エレガンス”を体現している田窪社長。これ見よがしではない、“控えめな優雅さ”こそ、本物のジェントルマンであり、そういった美意識は日本人にも通じるものがある。

「イギリスは、京都と同じで、一見さんお断りの世界なんです。歳を経るにつれて、知識や文化背景など、知れば知るほど、おもしろくなっていく。そういう魅力がイギリスにはあると思います」

ボンド・コレクションのオークションへも招待され出席。ジェームズ・ボンドの振舞いから英国流の付き合い方を論じる『ジェームズ・ボンド 仕事の流儀』(講談社)も出版。

20代の頃、ヴァージン・グループの創設者であるリチャード・ブランソンの鞄持ちをしていたという田窪社長は、今まで映画で見ていたような、アッパークラスの世界へと足を踏み入れることになる。

「衝撃的でした。その時から見ていた世界が変わりましたね」

英国文化を知れば知るほど「007」が面白くなっていったという田窪社長。さらに「007」を見ることで、英語はもちろん、立ち居振る舞いや精神など、紳士たるものは何かを知ったという。

「日本人はエレガントさや紳士という姿勢がまだまだ足りない。だから『007』を見ることで、学べることはきっと多いはずです」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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