運を磨くは“趣味”次第

アートは僕の想像力を掻き立ててくれるなくてはならないもの

株式会社グラマラス

代表取締役社長

森田恭通

写真/宮下 潤、文/安西繁美、大野重和(lefthands) | 2017.02.02

株式会社グラマラス 代表取締役社長 森田恭通(もりたやすみち)

1967年生まれ。2001年の香港プロジェクトを皮切りに、ニューヨーク、ロンドン、カタール、パリなど海外へも活躍の場を広げ、インテリアに限らず、グラフィックやプロダクトといった幅広い創作活動を行っている。MEGU New York、MEGU MidtownやTHE ST.REGIS OSAKAシグネチャーレストラン、aqua LONDON、嵐電「嵐山駅」、りそな銀行 東京ミッドタウン支店、「東急プラザ渋谷」の商環境デザイン、「MIYASHITA PARK」の「DADAI THAI VIETNAMESE DIMSUM」「NEW LIGHT」レストランデザインを手がける。またアーティストとしても積極的に活動しており、2015年より写真展をパリで継続して開催している。2020年11月、自身初の著書「未来を予知する妄想の力 1000のイノベーションを生んだ森田恭通の仕事術」(KADOKAWA)が発売。2020年12月より、商いをデザインするオンラインサロン「森田商考会議所」をスタート。

日本を代表するインテリアやプロダクトのデザイナーとして、ニューヨーク、ロンドン、上海など世界を舞台に活躍する、グラマラス代表取締役社長の森田恭通さん。麻布の高台にあるオフィスも、まるで現代アートのギャラリーかと見紛うようなスタイリッシュな空間に、さまざまなアートが飾られていた。

「僕はデザイナーでありながら、専門の教育を受けていないんです。だから、インテリアデザイナーとして空間を考えるときは、昔から海外のモード雑誌やモード写真にインスピレーションを得ていました。原点にあるのは、モードとアートなんです」

御影石に炎の模様をエッチングしたテーブルも、一点物のアート作品。

そう語る森田さんは、いまやアートコレクターとしても知られ、この春も、自らがアーティストとしてプロデュースする『What’s Gold!?』展を、東京・銀座で開催したばかり。森田さんの中で、自らの手掛けるデザインと、モード、そしてアートは、つねに密接に関わる三位一体の存在であるという。

「特に1980年代は、スーパーモデルが世に出てきて、ブルース・ウェーバーとかピーター・リンドバーグとか、モード写真を撮るフォトグラファーがすごく存在感を強くした時代でしたね。僕も夢中で、写真集を買い漁ったものです。

そのうち、海外のギャラリーを訪ねて、写真作品を買い、写真家に会い、僕の空間作品の中でコラボレーションするようなことが起こり始めました。初めはインスピレーションを得るためのものだったのが、アートはいつしか僕の仕事になくてはならない存在になってきたんです」

写真家本人から送られてきたという、メルヴィン・ソコルスキーのサイン入り作品集『paris 1963 paris 1965』。

いまではマイアミやバーゼルなど、海外のアートフェアの常連となった森田さん。コレクションに加える作品は、やはりモード写真や映画の中のワンシーンのような、想像力を掻き立てるものが多いという。

「アートっていうのは、何か人間の六感が刺激されるから欲されるものなんですね。僕はアート自体も好きだけど、アーティストたちとコラボレーションすることも楽しくて仕方がないんです。デザインとアートという、180度違うものを組み合わせて、これからも人をワクワクさせるものをつくりたいですね!」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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