“超”私的エクストリームな瞬間

【サーフィン】

新しい文化を創りだすサーファーという生き方

写真/太田泰輔 動画/トップチャンネル 文/上坂 徹 | 2014.08.11

波をすべり降りるときに感じる音、風、スピード。自然のエネルギーを全身で感じるサーフィン!そんなサーフィンの魅力にハマり、世界中のサーフスポットを旅して回る、2人を取材した。

撮影協力/RESTIR SURF SIDE
都心にありながらプロ仕様のアイテムが揃う本格派サーフショップ
東京都港区赤坂9-6-15 221 RESTIR 1F TEL:03-5786-1252

本田 サーフィンを始めてから13年。すっかりサーフィンにハマって、ハワイで暮らし始めて8年くらい経つかな。毎朝、部屋の窓から海を見て「いい波だな」と思ったら、自然に体が海へ向かっている。僕にとってサーフィンはもう生活の一部になっているんだ。

稲本 そうそう。目の前に海があったら、サーフパンツ履いて、ボード持って、「ワン・ツー・アクション」で行けちゃう。そのシンプルさがいいよね。僕は38歳でトライアスロンを始めて、体のメンテナンスのためにサーフィンをやり始めたんだけど、すぐにハマっちゃった。今はもう、サーフィンで生活のリズムを整えているって感じ。

よく「ゴルフは生涯スポーツ」とかいうけど、サーフィンこそ生涯スポーツだと思う。サーフィンをやっている人たちの間に「勝ち負け」は存在しないし、うまいヤツが偉いわけでもない。そういうところもサーフィンにハマった理由の一つかな。

本田 特にロングボードはそうだよね。僕も始めたころは毎日、修行僧のように波を追い求めていたけど、今は極めて自然にサーフィンライフを楽しんでいる。

稲本 ボードに乗って波を漕いでスッと立ち上がったとき、波の音から風の音に変わって、あたりの景色が目の前を流れていく。初めてサーフィンの気持ち良さを味わったときの感覚と感動は、今も忘れられないよ。

本田 自然相手だから思うようにいかないこともあるけどね。やる気満々で海に入っても1本も乗れずに終わることもあるし、何気なく入ったのにめちゃくちゃいい波に乗れることもある。

それは会社経営も同じ。ものすごく時間かけて、苦労して準備したのに周りの状況が急変してシナリオ通りにいかないことがある。それを「ムダだった」とか、「つらい」と思うのか、「だから楽しい」と思えるのかによって経営者としての質が問われるような気がするな。

「二度と同じ波は来ない。自然の中で自分の感性を研ぎ澄ます」(稲本) 写真/Kaz Sano

稲本 しかも、サーフィンやっていて、全く同じ波に出合えることなんて絶対ないからね。仕事のチャンスや環境も同じものは二つとない。だからこそ、瞬時に自分が置かれた状況を察知して、今その瞬間にやるべきことを判断する。それはサーフィンにもビジネスにも求められる判断力だよね。

それと、危険察知能力はサーフィンやり始めてから明らかに高まった気がする。「今ここで、この波に突っ込むとヤバイ」とか、突っ込んだ後「どうやって海面に浮上したら少しでも危険を回避できるのか」とか。その点、ナオはものすごく危険察知能力があるよね。一緒に世界中を旅していて、それで何度助けられたことか。

本田 そうだっけ(笑)。僕がサーフィンやっていて一番面白いと思うのは、波を待っている間。思いもよらない人と、思いもよらない話をして、そこから思いもよらないアイデアが生まれたり。海の上だから名刺交換するわけでもないし、仕事も年齢も関係ない。それはトライアスロンにも共通して言えることだと思うけど、サーフィンには新しい文化を創りだす魅力があるんだよね。

例えば、アメリカのハンティントンビーチやオーストラリアのヌーサ、バイロンベイのように、世界中からサーファーがやって来て、それぞれクリエイティブな発想を持ち寄って独自のサーフカルチャーを築いている。

稲本 音楽に、ファッションに、映画に、カフェ......。確かに、ここまでいろいろな文化を生み出しているスポーツって他にないよね。その最たるものが、「サーファー」という生き方。

板切れ1枚、裸一貫の至極シンプルに見えるスポーツだけど、実際にやってみるととても奥深いし、そこから生まれる多様なカルチャーにはものすごく興味がある。だから、ずっとその中にいたいし、もっともっと上手くなりたいと思うんだ。

本田 裸じゃ着飾りようもないしね(笑)。高級な服や持ち物も、車も意味がない。その人が言っていることとか、表情とか、まさに素の人間性が出る。

「時間にオン・オフはない。サーフィンは僕の生活の一部だ」(本田) 写真/Kaz Sano

稲本 そうそう。サーファーって、ものすごくシンプルになれる生き方だし、海のエネルギーで自分を浄化できる。僕にとってサーファーでいられる1時間、2時間はとても貴重だけど、仕事と全く無縁なわけでもない。ナオが書く本も、僕がつくる店の業態も、僕らのライフスタイルも、サーフィンや旅から生まれていることは確か。

二人でいろいろな国を旅して、そこでトライアスロンのレースに出て、サーフィンやって、うまいもの食べて、いろいろな人と出会って話したら、またランニングシューズに履き替えて街を走る。その連続だよね。僕らは、「サーフィンしながら旅する」という生き方を選んでいるんだ。

本田 よく「仕事だ」とか、「プライベートだ」とか分けたがる人がいるけど、時間ってそんな簡単に分けられるもんじゃないし。仕事もプライベートも一生懸命に楽しんでやるから、両方とも上手くいくんだと思う。そもそも僕らにはオン・オフという感覚がないからだけど(笑)。

稲本 でも、生き方にはこだわりがある。いつも好きなものの近くにいたいし、好きなことをしていたい。仕事も、遊びも、人との付き合いもね。それができない人ほど、仕事が忙しいことを理由にして自分から逃げているんじゃないかな。

本田 ホント。自分自身を見つめ直すためにも、サーフィンはおすすめ! 1週間くらいハワイ旅行を楽しむつもりで、トライしてみて。絶対にハマるから。

稲本 僕もいろいろな国でサーフィンしたけど、ハワイ以上にスクールも、レンタルボードも、気候や波のコンディションもベストなところはない。みんな、今すぐハワイへ飛ぶべきだよ(笑)。

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vol.37

「感動」が事業をつくる

株式会社アカツキ

共同創業者 代表取締役 CEO

塩田 元規

「ハートドリブンな世界へ」というビジョンの下、モバイルゲームとライブエンターテインメントの2軸で事業を展開するアカツキ。ゲーム「ハチナイ」の初アニメ化や、横浜のエンタメビル「アソビル」、東京ヴェルディの事業・運営サポート、海外のeスポーツリーグの設立など、猛スピードで活動の幅を拡大する同社の原動力とは。
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