刺激空間から革新が生まれる

人を楽しませる天才がつくった究極のおもてなし空間

株式会社エー・ピーカンパニー

代表取締役社長

米山 久

写真/芹澤 裕介 動画/アキプロ 文/福富 大介 | 2015.08.10

静かな河口湖畔に響く笑い声。エー・ピーカンパニー米山社長の別荘には、常に幸せな空気が充満している。「仲間が楽しんでいる姿を見ることが至上の喜び」その偽らざる思いをカタチにした空間は、訪れる人すべてを夢中にさせ、新たなひらめきを生み、チームの絆を深める。

株式会社エー・ピーカンパニー 代表取締役社長 米山 久(よねやま ひさし)

1970年、東京都生まれ。不動産業、販売代理店、海外挙式のプロデュース業などを経て、2001年エー・ピーカンパニーを設立。ダーツバーを出店して、飲食業に参入。04年、みやざき地頭鶏専門居酒屋「わが家」を出店。06年、宮崎県に農業法人を設立、自社養鶏場と加工センターを立ち上げる。08年度外食アワードを受賞。11年、自社で定置網漁を開始し、漁業でも第1次産業へ進出。12年9月、東証マザーズ市場に上場。1年後の13年9月に東証1部へと市場変更。現在は15業態173店舗を展開。14年4月には初のファーストフード店舗となるそば業態をオープン予定。著書に『ありきたりじゃない 新・外食』がある。

癒しに、交流に、創造に!仲間のためのノンストレス空間

別荘地としては比較的ポピュラーな河口湖だが、湖にそのまま出られるレイクサイドは希少だ。都心から車で約1時間半の立地に、山あり湖ありの自然環境。室内のいたるところにはコンテンポラリーなアートが飾られ、インドア系からアウトドア系まで、あらゆるアクティビティも用意されている。

「コンセプトは、“ノンストレス”。20~30人で来ても、皆が一カ所で同じことをする必要はなくて、それぞれ自由に過ごせばいい。上も下もなく、好きなことをやってくつろげる空間にしたかった」

河口湖畔という最高のロケーションで、何ひとつ気を使うことのない時間を過ごして欲しいという、米山社長流のおもてなしだ。

「自分が気に入った場所や、いいなと思ったことは、大事な仲間にも“なっ、いいだろ?”と共有したくなる。だから、僕自身が気に入ったこの環境を大事な仲間である社員やアルバイトにも目いっぱい楽しんでもらいたいんです」

その言葉通り、利用する人の趣味嗜好に合わせて、さまざまな楽しみ方ができるようになっている。アウトドアなら、湖でジェットスキーやバナナボート、バーベキューもできるし、3オン3も楽しめる。インドアであれば、ビリヤードやダーツなどがあり、ロフト部分は漫画コーナーだ。

屋外バーベキュースペースでは、河口湖の自然が満喫できる。中心にはこだわりの溶岩プレート。米山社長自ら肉を焼き、切り分けて皆にふるまうのが最高に楽しいのだとか。

壁一面に書棚を作りつけた漫画コーナー。米山社長自身はあまり読まないが、社員に漫画好きが多いことから設けたスペース。

この別荘が何よりも凄いのは、まるで保養所のように社員やアルバイトが頻繁に訪れ、自由に利用している点だろう。

「利用は予約制ですが、空いている日はどんどん利用していいことにしています。週末はほぼ埋まっていて、週1回は誰かしらが利用しているんじゃないかな? そんな風に頻繁に使われることで、空間もいきいきとしてくるのか、完成当初は浮いているように感じた壁のアートも、今ではすっかり馴染んできたように思います」

エー・ピーカンパニーといえば、外食ビジネスをコアに、生産・加工・流通・販売までカバーする“食”の会社。当然この別荘にも食へのこだわりが随所に見られる。なかでも目を引くのが本格的なオープンキッチンだ。

「社員にリサーチしたところ、料理で皆をもてなしたいという意見がありました。ここには珍しい調理機材や、食材も置いてあります。それらを使った料理をふるまい、おいしいと言って食べてくれる人がいる。そして、おいしそうに食べている姿を見て、作った人間は喜びを感じる。そういう良好な関係が築かれています。

キッチンスタッフでないメンバーも厨房に入り、皆でわいわい言いながら新しいメニュー開発が始まることもありますね。普段の仕事場やテストキッチンとは異なる自由な雰囲気のなかだからこそ、面白いアイデアが生まれるんです」

また、単なるレジャーとしてではなく、事業部ごとの合宿で利用することもあれば、新しいメンバーが入ったときの歓迎会、チームで目標を達成したときの達成会などでも使われることが多いという。

「コミュニケーションを深めることが、いい仕事につながります。単に一緒に和気あいあいと食事をするだけではなく、自分たちで用意をして、一緒に遊び、皆で片付けをする。こういう時間を共有することによって絆がより一層深まると思っています。ここはチームの一体感をつくるのに非常にいい場所ですね」

大人数で食卓を囲むのに最適な掘りごたつスペース。大開口のガラス窓を開ければ、そこからテラスへ下りられる。壁には84インチの巨大ビジョンも。

この空間はまさに米山社長の「空気を読む」というモットーにシンクロしている。

「“空気を読む”というのは、自分がどうふるまい、どのような言葉を世の中に発信し、どのような影響を与えていけば、人に喜んでもらえるのだろうと考えることです。いきなり大勢の人を楽しませるのは難しい。だから最初は目の前の社員、目の前のお客様を満足させることからスタートすればいい。それができたら、少しずつキャパを広げようと挑戦する。これを続けていけば、世の中の大多数の人に良い影響を与えていけると信じています」

目の前の笑顔の輪を、少しずつ外へ外へと広げてきたからこそ、米山社長の今の活躍がある。この空間は、そんな広がりの新たな起点になっていくのだろう。

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vol.56

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