刺激空間から革新が生まれる

遊びがつめこまれた「EARTHサーフィンハウス」でグループの絆を育む

株式会社アースホールディングス

代表取締役社長

國分利治

写真/宮下 潤 動画/Glasses Creative 文/竹田 明(ユータック) | 2016.10.11

國分利治のポートレート サーフィンハウスにて
2013年に千葉県鴨川に建設した「EARTHサーフィンハウス」。プール、ジャグジー、バスケットコート、パーティースペース、ビリヤード、麻雀など、遊びがつめこまれたその空間にはアースホールディングならではの使い方があった!

株式会社アースホールディングス 代表取締役社長 國分利治(こくぶんとしはる)

1958年、福島県生まれ。工業高校電気科を卒業後、地元の縫製工場に就職。19歳のとき、美容院の経営者になることを目的に上京し、東京・新宿の美容室に住み込みで就職。1年半後には店長、5年後には17店舗を管理するマネジャーとなる。その後30歳で独立。葛飾区に「Hair&Make EARTH(アース)1号店」をオープンする。大型店舗展開で業績を伸ばし、約10年後には16人のフランチャイズオーナーを育て、総店舗数も100に達する。2007年にはロンドンにも進出。現在、日本全国に220店舗を展開。2013年、千葉県鴨川に社員の保養所、EARTHサーフィンハウスを建設。フランチャイズオーナー54名、総従業員数約2700名。100名の経営者づくりを目指している。著書に、『地道力 新版』(PHP研究所)がある。また、DVD『地道力』(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)もリリース。全国のTSUTAYAにてレンタル中、全国のEARTH店舗では販売もしている。

鴨川はサーフィンのメッカであるだけでなく、近くにゴルフ場や野球場があり、海釣りはもちろんバスフィッシングを楽しめるスポットもある。兼ねてから鴨川にスタッフが利用できるサーフィンハウスを建てたいと考えていた國分社長は、念願が叶ってビーチ沿いの土地を手に入れた。

「手に入った土地は当初の構想より倍の広さの600坪。縁があって広い土地が手に入ったのだから、自分がほしいもの、利用者が楽しめるものを目一杯詰め込もうと思いました。

建物をコの字型に配置し、真ん中のスペースにはプールとジャグジー、バスケットコートを作り、中央の建物の1階は、ダイニングキッチン兼パーティースペースとして、DJブースやバーベキューセットを完備し、利用者はここでパーティーを開いて盛り上がることができます。建物の2階は、海に向かって窓を広くとってあるので、見事なオーシャンビューが楽しめるんですよ」。

國分利治のサーフィン画像

目の前に広がる前原海岸。道路ひとつ隔てた先がビーチという、サーフィン好きな人には最高のロケーション。サーフィンが趣味の國分代表も、いい波が来る時間帯を狙ってサーフィンを楽しんでいる。スタッフたちはビーチの清掃活動など、地域に貢献する活動も行う。

さらに、両サイドの建物には、利用者が宿泊したり休憩したりする部屋が全部で8つあり、30~40人ぐらいは泊まれるという。

「この保養所の利用にはひとつだけ条件があります。フランチャイズオーナーが同行しなければならないということです。ですが、オーナーさえ同行すれば、スタッフもその家族から友人まで自由に使えます。

当社は経験を積んだスタッフの独立を積極的に支援しているので、このサーフィンハウスも、オーナーとなった人たちが、自分のスタッフをねぎらうために使ってもらおうと考えてつくりました」

フランチャイズオーナーがいなければ利用できないとしたのは、そのほかにもいくつか理由がある。そのひとつが、スタッフのモチベーションの維持だと國分社長は語る。

「オーナーになれば自分もここをいつでも利用できるという思いは、頑張って仕事を覚えステップアップしたいという動機になると思います。それに、オーナーも家族で利用することで家族のバックアップを得られ、より仕事を頑張ろうという気持ちになるはずです」

國分利治と写真の談笑風景 社員が庭でバスケットボールで遊ぶ

手作りのテーブル。バルコニーに置いてある手作りの大きなテーブルでのひとコマ。スタッフ同士の交流は、ときに仕事の話に発展することもある。國分代表もスタッフたちの声に直接触れる機会として、サーフィンハウスでのコミュニケーションを大切にしている。

バスケットコート。プールサイドに作られたバスケットコート。そのほかにも、ダーツやビリヤード台、全自動麻雀卓など、「EARTHサーフィンハウス」には、みんなで遊べるアイテムが盛りだくさん。遊び疲れたら、ジャグジーやハンモックでゆっくり休息できる。

さらに、スタッフたちと休日を一緒に過ごし、パーティーで大いに盛り上がることで、オーナーとスタッフ、あるいはスタッフ間のコミュニケーションが円滑になるという。

「年間1000人ぐらいの人がここを利用していますが、ここで遊んで店舗に帰るとチーム力が上がります。飲み会や忘年会、新年会を開いて、組織運営をスムーズにするのと同じです。

ビーチだからこそ感じられる開放的な雰囲気のなか、みんなでお酒を酌み交わして楽しい時間を過ごせば、普段は言えない意見も伝えられます。そうやってどんどんチームワークを築いていってほしいんです。

だから、私は彼らが利用しているときはなるべく顔を出さないようにしています。オーナーを中心にまとまってほしいのに、私がいることでバランスが崩れてしまいかねませんからね。みんなでワイワイ楽しむのが好きな性分ですが、そこは我慢です(笑)」

そしてもうひとつ、早朝に周辺のビーチを清掃したりするのだが、それは、サーフィンハウスの隠れた利用方法が“教育”であることに由来する。

「周辺の方々と良好な関係を築かなければならないのは、サーフィンハウスでも実際の店舗でも同じです。お店の周辺の方々と交流して、良好な関係を築かないと店はうまくいきませんし、周囲への気配りは接客に欠かせないスキルです。サーフィンハウスは、スタッフにそれを教える隠れた教育の場でもあるんです」

経営者を100人つくるのが目標だという國分社長。「EARTHサーフィンハウス」は、経営者を育成し、彼らが大きく成長するための施設でもあるのだ。

「スタッフの教育と組織の円滑な運営のために、フランチャイズオーナーが使える保養施設を建設したいという考えは、かなり以前からもっていました。こうして念願の保養施設を持てるようになった今、オーナーたちがここをうまく利用して、アースグループの会社を100年、200年と存続させてくれれば本望ですね」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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