資金調達ノウハウ
株式会社オプトベンチャーズ
パートナー
菅原康之
編集/塚岡雄太 | 2018.07.03
株式会社オプトベンチャーズ パートナー 菅原康之(すがわら やすし)
2010年、オプトHLDに入社。新規事業開発社内インキュベーター、イントレプナーとして社内新規事業開発を専門とし、13年よりコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)事業を担当し、投資先の事業成長支援を行う。15年より、ベンチャーキャピタル子会社の設立時より参画。パートナーに就任。慶應義塾経営大学院経営管理研究科卒業(MBA)。
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最近では、ベンチャー企業に対する多額の資金調達のニュースが増え、それにつられるように、皆さんの周りにも個人投資家やエンジェルと名乗る人が増えているのではないでしょうか?実際、購買型クラウドファンディングの盛り上がりや、株式型クラウドファンディングの解禁などにより、これまでこの業界にいなかった個人富裕層が、エンジェルとして数多く現れるようになりました。
エンジェルという言葉を Wikipedia で調べてみると、
という風に定義されています。この定義を参考にすれば、まだ何もないベンチャー企業にお金を出してくれる人であれば「エンジェル」ということになるかと思います。
ベンチャー企業に対するお金の出し手として個人投資家が増えるということは、経営資源に乏しいベンチャー企業にとってはとてもありがたいトレンドです。これからもベンチャー企業に対する資金調達源として、一過性のブームにならずに続いて欲しいと願っています。
一方で、我々プロ投資家が考えるエンジェルは、単なる個人の富裕層にとどまりません。この業界において、我々が考えるエンジェルとは、資金調達源としての存在だけでなく、シード期のスタートアップに対して、特別な役割を果たす存在であると考えています。
では、スタートアップエコシステムの中でエンジェルが果たすべき役割とはどんなものでしょうか。
スタートアップは、世の中にある社会的課題に対して、自分たちの考える解決策(ソリューション)が適しているかの仮説検証を行う営みであると考えることができます。
エンジェルには、まず、それを行うための運営資金を提供するという価値があります。それに加えて、我々が考えるエンジェルは、エンジェル自身も事業経験や数多くの同ステージでの事業支援経験を持ち、スタートアップが陥りやすい落とし穴を回避したり、成長速度を高めるための具体的な方法をいくつも知っておりアドバイスできる存在であると考えます。
このような定義で考えた場合、真にエンジェルと呼べる存在は、国内では20人にも満たないのではないでしょうか。
あくまで独断ではありますが、先ほどご説明した「エンジェル」の定義に合致する人物をピックアップしてみました。彼らの動向や発言、考えは、あなたにとってとても有益だと思います。
Twitterのアカウントもリストとして作成してみましたので、早速フォローして彼らの考えを参考にしてみてください。
※50音順、2018年7月現在の情報
青柳直樹 氏
株式会社メルペイ(株式会社メルカリの子会社)代表取締役
https://twitter.com/naoki
赤坂 優 氏
株式会社エウレカ創業者
https://twitter.com/yuakasaka
有安伸宏 氏
Tokyo founders fund
https://twitter.com/ariyasu
家入一真 氏
連続起業家(GMOペパボ株式会社、株式会社CAMPFIRE、BASE株式会社など
起業経験多数)
https://twitter.com/hbkr
川田尚吾 氏
株式会社ディー・エヌ・エー共同創業者
https://twitter.com/shgk
木村新司 氏
株式会社アトランティス創業者・元Gunosy代表取締役・AnyPay株式会社代表取締役会長
https://twitter.com/shinzizm2
国光宏尚 氏
株式会社gumi代表取締役
https://twitter.com/hkunimitsu
小泉文明 氏
株式会社メルカリ取締役社長兼COO
https://twitter.com/Koizumi
佐俣アンリ 氏
独立系ベンチャーキャピタルANRI代表
https://twitter.com/Anrit
武永修一 氏
株式会社オークファン代表取締役社長
https://twitter.com/aucfancom
千葉 功太郎 氏
株式会社コロプラ 元代表取締役副社長・個人投資家
https://twitter.com/chibakotaro
中川 綾太郎 氏
株式会社ペロリ 元代表取締役
https://twitter.com/ayatan48
前田ヒロ 氏
グローバルファンド BEENEXT パートナー
https://twitter.com/djtokyo
松山大河 氏
ベンチャーキャピタル East Ventures共同パートナー
https://twitter.com/taiga__
山田 進太郎 氏
株式会社メルカリ代表取締役会長兼CEO
https://twitter.com/suadd
有名なエンジェルはこの人ですと言われても、自分の友人にこのような有名人がいる人は本当に少ないと思います。
しかしながら、「六次の隔たり」と言われるように、自分の友人を起点に6人たどれば、世界の全てに繋がると言われていますから、まずは自分の友人にエンジェルと共通の友人がいないか調べてみるのが最初の一歩だと思います。
Facebook等のSNSの共通の友人を見てみると、 エンジェルと共通の友人がいるかもしれませんし、スタートアップやベンチャーキャピタルで働いている友人がいれば、その人とランチでもしながら質問してみるといいかもしれません。
今あなたが持っているネットワークの資産はあなたの友人たちです。自分の友人を再度見つめ直してみて、有名なエンジェルに繋がる「とっかかり」を探してみてください。たとえ小さな「とっかかり」でも、そこから目的地まで繋げることができるはずです。
なぜならば、もしあなたが起業し成功するのであれば、同じ営みを日々行なっていくことになるからです。
まずはそのトライアルだと思って小さなきっかけを探し、全力で手繰り寄せるように勤めてみてください。きっと、思いがけないぐらいすぐ辿り着けるという経験ができるはずです。
vol.56
DXに本気 カギは共創と人材育成
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社
代表取締役社長
井上裕美