営業力

SNSマーケティング × エキスパート人材 企業を変えるDX化推進事業

株式会社FAITH GLOBAL

代表取締役CEO

福岡厚志

写真/田村和成 文/中野祐子 動画/ロックハーツ | 2021.11.10

看護師に特化した転職支援サービス「NURSY」を武器に、コロナ禍においても看護師のリクルーティングや集客を可能とする独自のSNSマーケティングを展開。業界でも注目される福岡厚志代表だが、その勢いは止まらず、DX化推進事業にも乗り出した。既存サービスとの相乗効果も狙っていくというが、その経営戦略について話を聞いた。

株式会社FAITH GLOBAL 代表取締役CEO 福岡厚志(ふくおかあつし)

1984年、兵庫県姫路市生まれ。2007年関西大学商学部卒業後、不動産仲介会社で賃貸物件の仲介に携わる。2009年株式会社FAITH設立。SNSを活用した賃貸物件仲介「SUUMY(スーミィ)旧HAPPY HOME」をはじめ、看護師の転職支援サービス「NURSY(ナーシィ)」や、看護師のコミュニティ運営などの事業を展開。2021年株式会社FAITH GLOBALに社名変更。DXサポートサービス事業「DXIT(ディグジット)」をスタート。

業界に変革を起こすサービスを続々リリース

「社会にインパクトを与える変革を起こしたい」との思いで起業した福岡厚志代表。まず行った変革が、LINEを活用した不動産仲介サービス事業「SUUMY(スーミィ)旧HAPPY HOME」の立ち上げだ。店舗・物件への訪問不要、仲介手数料無料に加えて、初期費用の大幅カットを実現。利用者のクチコミや紹介で借主を獲得し、短期間で4,000組以上の契約を達成。

その後、「SUUMY」の利用者の中で特に看護師の相談が多かったことや、看護師の人手不足解消の一端を担うことで社会に貢献したいという思いから、看護師に特化した転職支援サービス「NURSY(ナーシィー)」をスタート。「転職するので住まいを探している」「住まいも仕事も変えたい」という相談が多数あり、不動産事業にも相乗効果をもたらしたという。

SNSを活用したダイレクトマーケティングによって多くの人材紹介を実現。さらに、求人者同士の情報交換などが可能なコミュニティも立ち上げ、会員数は、昨対比200%を達成し、2021年10月時点で3,000人を突破。利用者には20~30代の若手看護師が多く、病院・施設などからは、募集力の高さとつながりの強さに一目置かれているという。

「近年では、女性の働き方の多様化が進んだこともあり、職場を病院に限定しない、訪問看護ステーションや、美容整形クリニックも増えてきました。看護師さんの活躍の場をNURSYが支援できているからこその選択肢ですが、この2つはコロナ禍以前からニーズが高く、斡旋依頼が多数ありました。現在もその需要に変わりはないので、新たに美容整形クリニックへの転職に特化した『NURSY Beauty Career』を立ち上げました。訪問看護ステーションについては、人材獲得などのコンサルティングも行っています」

「NURSY」は、LINEで簡単に始められる手軽さが最大のポイント。

「働き方の多様性」を実現し、エキスパート人材を獲得

今やFAITH GLOBALのコア事業とも呼べる「NURSY」だが、あくまでもSNSマーケティングの一例に過ぎず、さらなる展開を考えているという。それが、企業のDX化推進をサポートする「DXIT(ディグジット)」だ。

「医療現場というのはデジタル化がまだまだ浸透しておらず、ビジネスチャンスがあると思ったのです。そこで新事業としてDXサポートサービス『DXIT』を構想しました。当社のサービスを活用することで、『課題の出口=EXIT』となるようにと命名しています」

DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタルコンテンツの多用化に伴い、組織・役割・業務をデジタル技術によって最適化や効率化することで、企業の躍進を目指すこと。現在多くの企業・機関が注力し、政府も助成金・補助金を設定するなど、DX化を推進している。

「医療だけでなく、業種・業態を問わず、SNSマーケティングをはじめとした当社のテクノロジーやノウハウを活用していく」と話す福岡代表。さらにスケールさせるために必要なことは何かを聞くと、“エキスパート人材”であると続ける。

「変革自体をゴールとしたシステマチックなDX化ではなく、私たちが行っているDX化の促進は、“企業にあわせたDX化の提案”です。これを実行するには、組織を変える、組織を発展させるという意味での『組織コンサルティング』になるため、スキルやノウハウに長けたエキスパート人材で臨む必要があります。

弊社では、早い段階から “副業OK”を掲げていますし、コロナ禍の前からテレワークを推奨していました。また、優秀な人材の時間・スキルはシェアをする、という考えをもっていますので、一つの業務に縛られることなく、自身のスキルやノウハウを生かして様々な事業に参画できます。そのため、一人ひとりが経営者感覚をもち、“自分の意思”で、イチから事業を大きくしていくことができます。社員は、自分にあった働き方で最大パフォーマンスを発揮しており、働き方の多様性を実現できています。

この働き方の多様化を許容する風土と、コロナ禍による仕事への意識の変化もあって、システムエンジニア、データサイエンティストといったハイパフォーマーがどんどん集まっています。彼らの本業の業種・業態も実に多彩。アプリ開発、デジタルマーケティングなどあらゆることに対応できるので、非常にワクワクしています」

すでに助成金を活用したwebサイトやアプリの制作を行っている「DXIT」。今後もエキスパート人材を増やし、海外進出も狙う福岡代表。物腰柔らかだが、眼差しは力強く、また新たな変革を起こしていくに違いない。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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