株式会社FAITH GLOBAL
代表取締役CEO
福岡厚志
写真/田村和成 文/中野祐子 動画/ロックハーツ | 2021.04.12
株式会社FAITH GLOBAL 代表取締役CEO 福岡厚志(ふくおかあつし)
1984年、兵庫県姫路市生まれ。2007年関西大学商学部卒業後、不動産仲介会社で賃貸物件の仲介に携わる。2009年株式会社FAITH設立。LINEとクチコミを活用した賃貸物件仲介「SUUMY(スーミィ)旧HAPPY HOME」をはじめ、リファラルリクルーティングによる看護師の転職支援サービス「NURSY(ナーシィ)」や、看護師のコミュニティ運営などの事業を展開。2021年株式会社FAITH GLOBALに社名変更。DXサポートサービス事業「DXIT(ディグジット)」をスタート。
「社会にインパクトを与える変革を起こしたい」との思いで起業した福岡厚志代表。まず行った変革が、LINEを活用した不動産仲介サービス事業「SUUMY(スーミィ)旧HAPPY HOME」の立ち上げだ。店舗・物件への訪問不要、仲介手数料無料に加えて、初期費用の大幅カットを実現。利用者のクチコミや紹介で借主を獲得し、短期間で4000組以上の契約を達成。
その後、「SUUMY」の利用者の中で特に看護師の相談が多かったことや、看護師の人手不足解消の一端を担うことで社会に貢献したいという思いから、看護師に特化した転職サービス事業「NURSY(ナーシィー)」をスタート。「転職するので住まいを探している」「住まいも仕事も変えたい」という相談が多数あり、不動産事業にも相乗効果をもたらしたという。
「NURSY」もSNSを活用したリファラルリクルーティングによって多くの人材斡旋を実現。さらに、求人者同士の情報交換などが可能なコミュニティも立ち上げ、会員数は3,000人を突破。利用者には20~30代の若手看護師が多く、病院・施設や他の人材派遣会社からは、募集力の高さとつながりの強さに一目置かれているという。
「当社の会員を特に多くご紹介しているのが、訪問看護ステーションと美容整形クリニックです。この2つはコロナ禍以前からニーズが高く、斡旋依頼が多数ありました。現在もその需要に変わりはないので、新たに美容整形クリニックへの転職に特化した『NURSY Beauty Career』を立ち上げました。訪問看護ステーションについては、人材獲得などのコンサルティングも行っています。『NURSY』はこれからも様々なサービスを展開していく予定です」
「SUUMY」や「NURSY」は、LINEで簡単に始められる手軽さが最大のポイント。現代にあったスタイルに置き換えた、まさに変革と言えるだろう。
今やFAITH GLOBALのコア事業となった「NURSY」。福岡代表にはもう一つ、コア事業となり得るサービスの構想があった。
「医療現場というのはデジタル化がまだまだ浸透しておらず、ビジネスチャンスがあると思ったのです。そこで新事業としてDXサポートサービス『DXIT(ディグジット)』を開始。当社のDXを活用することで、『課題の出口=EXIT』となるようにと命名しました」
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術によって組織や業務を変革すること。現在多くの企業・機関が注力し、政府も助成金・補助金を設定するなど、DXを推進している。
「医療だけでなく、業種・業態を問わず、当社のDXのテクノロジーやノウハウを提供していく」と意気込む福岡代表。未知の領域となるデジタル業界進出の勝算を聞いた。
“変革の先にある新しい未来”を考えることが楽しいという福岡代表。「お客様とスタッフがFAITH GLOBALによって幸せになることが私の喜びです」
「デジタル技術は当社の事業に必須なので、以前から専門スタッフも採用していました。ただ、ベンチャー企業ではハイスペック人材の獲得が難しいので、“副業OK”を掲げていたのです。多くの企業が副業を解禁する前だったので、先駆けだったのではないでしょうか。この働き方の多様化を許容する風土と、コロナ禍による仕事への意識の変化もあって、システムエンジニア、データサイエンティストといったハイパフォーマーがどんどん集まっています。彼らの本業の業種・業態も実に多彩。アプリ開発、デジタルマーケティングなどあらゆることに対応できるので、非常にワクワクしています」
すでに助成金を活用したwebサイトやアプリの制作を行っている「DXIT」。今後も副業ハイパフォーマーを採用し、大阪から世界へ、海外進出も狙う福岡代表。物腰柔らかだが、眼差しは力強く、また新たな変革を起こしていくに違いない。
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