人材力

エステ業界からIT社長へ 「人が好き」だからこそ、出会いに導かれた事業拡大

株式会社Lena

代表取締役

栁澤 奈々

写真/芹澤 裕介 文/竹田 あきら(ユータック) 動画/ロックハーツ | 2020.10.12

みんなが「幸せ」になるために事業を展開

個人経営のエステサロンからはじまり、IT企業のトップも務めるようになった栁澤代表。Lena Brainで自己変革にも成功し、経営者としてパワーアップ。スタッフも順調に育ち、それに合わせるように店舗も増えた。そして、会社の利益率を上げるために、自社化粧品の開発・販売に乗り出した。

「植物成分や細胞について研究している人物と組んで、高濃度のビタミンCクリームを開発しました。大手総合商社出身の方で、経営戦略部門にもいた経験者と一緒に商品開発に挑みました。効能が強いため対面販売でないと売れない商品なのですが、エステサロンはピッタリの販売場所といえます」

ビタミンCクリームを共同開発した人物との話はこれだけで終わらない。その人物が運営していた銀座のエステサロンが倒産し、Lenaで店舗を引き継ぐことになった。これを機に、Salon Lenaは本店を銀座に移転。そして、これが株式会社Lenaの次の事業展開につながった。

「青森でエステを運営したいという人がLenaに入社しました。2014年ごろにFC展開を試みたことはあったのですが、そのときはうまくいかずに直営店に絞って店舗拡大を続けてきました。銀座に本店を構えたことからブランド力も上がり、地方で銀座と同じエステが受けられるようにするのは商機だと感じ、2019年にのれん分け1号店を青森でオープンしました」

女性の自立支援を掲げて事業を展開してきた栁澤代表にとって、地方での成功はその後のビジネス戦略に大きな影響を与えた。

「青森店は大成功で、すでに2店舗目を考えています。青森のオーナーも収入が大幅に増え、最近、外車を買ったそうです。今後は青森での成功を下地にのれん分けで地方にSalon Lenaを増やしていく計画です。そのためには、Lena Brainのブラッシュアップも必要で、現在、改良に取り組んでいます」

人材の見える化ツールであるLena Brainは、結果に基づいた人材育成の方向性を定めることで、高い意識を持ったスタッフを創り上げることができる。ただ、育成の方向性を定めるのは経営者や店長であり、その点でいえば誰でも使いこなせるとは限らなかった。そこで、栁澤代表がLena Brainを使ってスタッフの育成をする戦略を見える化し、Lena Brainを使えば誰でも意識の高いスタッフを育成できるようにしていく。

数字に強く、見える化が得意と、IT企業の社長にピッタリのスキルも持ち合わせている。エステ業界とITの融合を視野に動く彼女に注目。

「Lena Brainは、B to Bのサービスですが、ゆくゆくはB to Cサービスとしても展開していきたいと考えています。私自身、自己変革に成功して人生が変わりました。同じように自己変革を希望するすべての人が、Lena Brainを羅針盤として使って幸せになってほしいと願っています」

事業を大きくしたい、大金を稼ぎたい。ビジネスを志す人にはいろいろなモチベーションがあるだろう。株式会社Lenaの栁澤代表は他の人が「幸せ」になるために事業を進めてきたのだ。そして、今後は自らの幸せも考えて動くという。

「シングルマザーで3人の娘を育て、会社の経営を通じてスタッフや関係者を幸せにするために、15年ぐらい懸命に駆けてきました。今後は自分の幸せも探そうかなと考えています。素敵な出会いを求めながらも、もう少しの間、Lena Brainの完成とSalon Lenaの地方展開を頑張っていきたいです」

株式会社Lena 代表取締役 栁澤 奈々(やなぎさわ なな)

美容業界歴20年以上。健康寿命の延伸を目的とし、エステと国家資格者(鍼灸師・柔整師・管理栄養士・看護師・臨床検査技師)との融合エステを実現。わずか2年で店舗数を1店舗から10店舗展開。暖簾分けシステム、自社化粧品開発を推進している株式会社Lena代表取締役。また、現場の問題解決から生まれた株式会社LenaBrain代表取締役。2021年には2年連続美容業界成長企業に選ばれ、SDGsアワードを受賞。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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