商品力

弱点を克服したコーティング剤 施工も行う、こだわりある本格メーカー

有限会社フィアックアマル

代表取締役

吉野宏平

写真/芹澤裕介 文/竹田 あきら(ユータック) | 2021.07.12

愛車を美しく輝かせてくれるガラスコーティングの弱点を克服する製品を開発した有限会社フィアックアマル。同社のオーナーが製品開発に寄せる想いに迫る。

有限会社フィアックアマル 代表取締役 吉野宏平(よしの こうへい)

自動車に携わる仕事をしたく、中古車の買い取り販売を手掛ける大手チェーン店に入社。営業を経験後、独立して東京都足立区でコーティング事業をスタート。取引先であったコーティング剤メーカーに入社し、直営店立ち上げに参加。千葉に拠点を移す。3年後、自身が思い描くコーティング事業を展開するべく再度独立を果たし、2019年にG.O.K製品の開発に着手し、メーカーとなる。

弱点を解決し、高パフォーマンスを発揮できるガラスコーティング剤を開発

大切な愛車を光り輝かせてくれるカーコーティング。フィアックアマルは、ガラスコーティング剤を製造するメーカーだ。代表の吉野宏平氏は、長年の経験と数千台以上の実績から独自の研磨方法を編み出した人物。今もコーティング剤の生産の傍ら、自らの手でコーティングを施工している。

カーコーティングには、ガラス系コーティングとポリマー系コーティングがある。ガラスコーティングは、耐候性・耐熱性・耐薬品性に優れ、酸化劣化しにくく超長寿命。自然な発色と艶と光沢を実現できる。しかし、その一方で、雨ジミや水シミが付いて取れなくなるというデメリットをもっていた。

「ガラスコーティング剤は、ケイ素と酸素によるシロキサン結合で構成されています。ケイ素と酸素は、地球の表面上に最も多く存在している元素。2つ合わせて約75%以上を占めています。つまり、地球上の物質の大半がガラスコーティング剤と同じ元素となるため、自然に結合しやすい特性をもっており、ガラス被膜上に汚れが固着しやすくなります」

シミや汚れが付着しやすくなるガラスコーティングの弱点。それを解決するために開発されたのが、フィアックアマルのコーティング剤「G.O.K」シリーズだ。

「知人の化学者からアドバイスを受けながら開発したG.O.Kは、汚れづらい物質である『フッ素』を使用することで、シミ対策への効果が期待されます。定着が難しいとされているフッ素の安定化を実現したことで、シミが付きづらくなり、撥水性能や防汚性能などが向上。より高いパフォーマンスを発揮できるようになりました」

コーティング剤開発で培った知見で除菌剤を開発

左から、ハンドサニタイザー(小)、ハンドサニタイザー(大)、アルファコート、アルファ

G.O.Kブランドのコーティング剤を自社での施工に使うだけでなく、メンテナンス用に製造・販売している。

「ガラスコーティングは『5年保証』『5年耐久』などと謳われています。確かに、コーティング剤の多くにシリコーンレジンが使われており、無機質なので劣化しません。しかし、サランラップの10~20分の1程度の薄さのため非常に薄膜で、定期的なメンテナンスが必要。当社では、カーコーティングのメンテナンスも受けているほか、自宅でのメンテナンスに使えるコーティング剤を販売しています」

開発・製造と施工に忙しい吉野代表をサポートする、株式会社Free styleの代表代表取締役、近藤研太郎氏。有限会社フィアックアマルの取締役に就任しブランディングを担当。

 

新商品である除菌剤の開発のきっかけには、新型コロナウイルス感染症の拡大も関係している。2019年、全世界を巻き込むパンデミックが発生し、2021年現在、終息の兆しがない。人々の生活行動は大きく規制され、不自由な世界になってしまった。吉野氏は、人々の生活が少しでも早く元通りになってほしいと願い、ガラスコーティング剤の開発で培った自らの知見を活かして新しい除菌剤を開発した。

「接触感染を防ぐには小まめな除菌・抗菌が有効だといわれています。しかし、電車や会社、店舗などの公共の場で頻繁に除菌するには限度があります。電車のつり革を毎回、除菌するのは現実的に不可能です。当社が着目したのは、コーティング剤を定着させる技術。その技術で抗菌剤を定着させて、抗菌機能が長持ちする除菌ポリマーを開発。掃除するときに使うとツヤ出しと防汚と抗菌ができます」

自身の幅広い知識と豊富な現場経験から、新商品を考案した吉野氏。吉野氏の製品に対する探究心からは今後もさまざまな新しい商品が生み出されるだろう。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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