技術力

デザイン力と技術力で目指すは世界の頂

株式会社エイケー

代表取締役

久土地 智志

写真/片桐 圭 文/梅中伸介(verb) | 2015.10.13

横浜から東京、そして世界へ。デザイン力と優れたコストパフォーマンスを武器に急成長を続けるエイケー。お客様の心をつかんで離さない経営の秘訣はどこにあるのか?

株式会社エイケー 代表取締役 久土地 智志(くどち さとし)

1981年生まれ。神奈川県横浜市出身。20歳の時に、家業であった工務店に就職し、職人になる。現場監督や設計を経験した後、結婚を機に2代目社長に就任。アメリカ、台湾、シンガポールなど、海外へも積極的に進出している。

家業だった工務店を久土地社長が引き継いだのは2013年のこと。個人宅のリフォームを中心に請け負う、いわゆる町の工務店だったという。しかし、父親から代表を引き継ぐと、久土地社長は事業の主軸を店舗のデザイン・施工へと変更。本社も東京に移転し、“勝負に出た”。すると、その転換が功を奏し、店舗デザインの依頼が次々と舞い込むようになっていった。一見無謀にも思える大胆なチャレンジが成功に結びついた理由は、どこにあるのだろう。

エイケーが内装を手掛けた表参道にあるフラワーショップ「フローマリポッサ」。この店内奥にオフィスがある。

「デザイン力を高く評価していただいていることと、コストパフォーマンスが良いと言われますね。取引先からの要望にただ応えるだけではなく、どうしたら店舗に人が来てくれるのかというところまでよく考えて、お客様を成功に導くようなデザインを大事にしてほしいと社員には伝えています。また、できるだけ適正な価格でイメージを形にできるよう、価格の安い輸入建材を提案するなど、コスト削減に努めています。ゆくゆくは自社の職人ですべてを施工する体制を築いて、さらに価格を抑えていきたいと思っています」

施工後に何かトラブルが発生した場合、窓口となって解決に当たるなど、アフターフォローにも定評がある。

「物件を引き渡した後、お客様が営業を開始すると、どこかが壊れたとか、水漏れがあったとか、トラブルが発生することも稀にあります。弊社が関わった箇所であれば、もちろん迅速に対応しますが、他の業者さんに問い合わせるべきケースも少なくありません。通常はそれぞれの業者さんに連絡していただくのですが、お客様も本業が忙しいのに、自分であちこち連絡して、対処するのは面倒じゃないですか。そこで、弊社が施工に関わった案件では、どんなトラブルも一括して受け付けるようにしています。お客様はやり取りが一か所で済みますからね」

こうしたきめ細かいサービスが顧客のハートをつかみ、新たな顧客を創出する一因になっている。2015年現在、エイケーでは、アメリカや台湾、シンガポールなど海外の物件も手がけている。いずれも日本での実績を買われて依頼されたものばかりだとか。

「飲食店のデザインを手がけることが多いのですが、日本でお手伝いした会社の方が次々と海外進出しているんです。その時、ありがたいことに弊社を指名してくださるんですよ。オーダーに応えていたら、自然と海外の実績が増えていったわけです。将来は、世界一のデザイン力と、それを具現化する技術力をもった職人集団をつくりたいですね」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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