2.5次元ロボットで世の中をもっと面白く! | 株式会社ドリームシーカー 清水一寛|注目の経営者|SUPER CEO

技術力

2.5次元ロボットで世の中をもっと面白く!

株式会社ドリームシーカー

代表取締役社長

清水一寛

写真/中田浩資 文/松本 理惠子 | 2018.08.31

リアルさとアミューズメント性を兼ね備えた2.5次元ロボットを鋭意開発中の株式会社ドリームシーカー。2.5次元ロボットが身近で活躍する世界とは? 清水一寛代表が近未来のビジョンを語る。

株式会社ドリームシーカー 代表取締役社長 清水一寛(しみずかずひろ)

1958年岩手県花巻市生まれ。関西外国語大学英米語学科卒業。シンセサイザーの販売会社を経て、ロボット制御デバイスの販売会社に転職。2005年、前会社の事業を引き継ぐ形で独立、有限会社ドリームシーカーを創業。アミューズメントに特化し、音と光の信号による動作プログラミングでロボットを動かす。現在は、AIをカスタマイズした2.5次元のサービスロボットを開発中。

たとえば、博物館に行って、会話しながらガイドをしてくれるロボットがいたら、音声ガイドを聞くよりずっと楽しく分かりやすいだろう。飲食店で多言語対応のロボットが接客から会計までしてくれたら、海外旅行客はおもてなしの心を感じるだけでなく、エンタメ要素が加わることで、その店は一種の名物になるかもしれない。

ドリームシーカーは、MIDI(ミディ、Musical Instrument Digital Interface)を使ったロボット動作のプログラミングを得意とする会社。MIDIとは、電子楽器の演奏データをデジタル化し、各社機器に転送するためのデバイスだ。

「MIDIを介して音符とロボットと同期させると、メロディーにあわせてロボットが踊ったり、歌に合わせて口を動かしたりします。音響以外に照明や噴水などと同期させることも可能です。日本テレビ本社の『宮崎駿デザインの日テレ大時計』の動作、音響プログラムを担当したり、展示博で恐竜を動かしたり、企業の要望を受けて24時間365日稼働する実験用ロボットを制作したりなど、各方面で活用いただいています」

清水代表は大学卒業後の1982年、シンセサイザーメーカー株式会社コルグに就職しMIDIと出合い、1990年にハリウッド版MIDIの輸入販売会社に転職してからは、アミューズメントロボットに特化した動作システムの構築を行ってきた。MIDIが世界共通規格になったのが1981年のため、まさにMIDIとともに歩んできた人生といえる。

「今はDAW(Digital Audio Workstation)などの音楽システムがあり、MIDIは古いと思われがちですが、MIDIにはどのメーカーのコンピュータでもデータの読み取りができたり、専用アプリケーションが不要など、多くの利点があります。ロボットのある現場に行って、その場でプログラミングや動作確認ができてしまうので、作業がスピーディーで低コストです」

清水代表の経験に裏打ちされた独自のノウハウやシステムは、唯一無二のもの。これを後世に伝えることが、今の彼の課題であり夢だ。そこで、今年から会社の成長・存続を考え、“2.5次元ロボットの製造開発”という大勝負に出た。

「研究を主目的とした産業ロボットは各大手企業が凌ぎを削っていますが、人を楽しませるためのアミューズメントロボットは手がけている会社が少なく、うちのような規模の会社でも切り込む余地があります。2.5次元ロボットは、人間的なリアルさと2次元キャラクターが持つファンタジー性の中間的ビジュアルを追求します。さらに、AIをカスタマイズして搭載し、高度な会話ができるようにします」

AIを搭載する人型ロボット「Kan Ban Musume」。接客対応や、介護・福祉のシーンなどで活躍するサービスロボットを目指す。

これが実現すれば、イベントやショーの目玉、観光案内や接客をする看板娘、お年寄りの見守りや介護の担い手、そして人々の心を癒す存在としてなど、想定される活躍シーンは幅広い。ロボット目当てに人々が集まれば、地域活性にも役立つ。

「動きの回路設計やプログラミングは、これまで培ってきた自社の技術があります。機械や造形についても他社とチーム体制ができています。ただ、ネックはAIですね。AI技術を持つ企業とコラボレーションができると、一気に開発が前進します。2020年の東京五輪に向けて、ドリームシーカー製の2.5次元ロボットを世の中に送りだすのが目下の目標です」

ゆくゆくは機械の設計・組み立てからキャラクターの造形デザイン、AIのカスタマイズまでドリームシーカー1社で行えるようにしていきたいと清水代表は話す。もちろん海外展開も視野に入れているという。そして、最後にこう締めくくった。

「ロボットは決して、永遠に人に勝ることはありません。ロボットが開発されて便利になっても、人は今までと何も変わることはなく、開発はさらに進み、より人生を楽しむことができる社会になっていくと考えています。人にできないことや、人がやりたくないことをサポートするのがロボットの役割です。人とロボットが共存し、楽しく便利な社会に役立てることが、私たちのミッションです」

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vol.34

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