Passion Leaders活動レポート

~近藤太香巳のリーダー論~ 熱狂チームのつくり方・前編

チームを成功に導くためにリーダーが熱狂するべきこととは?

株式会社ネクシィーズグループ

代表取締役社長兼グループ代表

近藤 太香巳

写真/阿部拓歩 文/竹田明(ユータック) | 2020.01.23

近藤太香巳の講演中のポートレート
組織を牽引するリーダーは、社会に大きなインパクトを与えるサービスやプロダクトを提供するために組織を運営し、時には効率的に、またあるときはイノベーションを生み出せる働き方を、社員やメンバーに示す必要がある。社員たちの生活・人生を背負いながら、力強く前進し大きく成功するには、リーダーはどのように振る舞い、心掛ければいいのか?ネクシィーズグループの代表、近藤太香巳の講演会の内容から紐解いてみよう。

株式会社ネクシィーズグループ 代表取締役社長兼グループ代表 近藤 太香巳(こんどう たかみ)

1967年11月1日生まれ。19歳のとき、50万円を元手に会社を創業。34歳でナスダック・ジャパン(現ジャスダック)へ株式上場し、37歳で2004年当時最年少創業社長として東証一部に上場。2015年グループ2社目が上場を果たす。エネルギー環境事業、電子メディア事業、経営者交流団体「パッションリーダーズ」のいずれも日本一の規模にまで拡大。新プロジェクトであるセルフエステBODY ARCHI(ボディアーキ)を全国に展開中。常に新しい事業領域にチャレンジを続け、ビジネスパーソンから若者まで情熱あるリーダーとして圧倒的な支持を得ている。世界的経済紙・Forbes(フォーブス)による『Forbes Asia’s 200 Best Under A Billion 2018』に選定。『JAPAN VENTURE AWARD 2006』最高位経済産業大臣賞受賞。『シーバスリーガル ゴールドシグネチャー・アワード2019 Presented by GOETHE』ビジネスイノベーション部門受賞。2020年、業界をリードする環境先進企業として、環境大臣より「エコ・ファースト企業」に認定。

成功への第一歩は全社で醸し出す“いいムード”

令和元年12月20日、渋谷にあるネクシィーズグループ本社ビルのセミナールーム。約200人の聴衆を集めて、近藤太香巳の講演会が開かれた。今回でシリーズ17回目を数える講演、その冒頭で近藤氏は「成功」について次のように語った。

「成功体験を積み重ねることで、より大きなブレイクを成し遂げられると思っている人は多いが、そうではありません。会社のムードをよくすることが成功へとつながる道です。

30年以上、私は会社を経営してきました。50年以上、人生を歩んできました。そのなかで多くの物事を経験し、チームワークが機能していて、良い雰囲気を醸成できている会社が成功するのを、この目で見てきました」

会社のムードをよくすることが「成功」へとつながる。では、会社のムードをよくするために、リーダーは何をすればいいのだろうか。近藤氏は「明るさ」を振りまくことだと答える。

「リーダーがどれだけ明るくいれるか、どれだけ未来の希望を語れるか、どれだけ社員をワクワクさせられるか、これがいいムードを作るためのポイントです。

社員をワクワクさせることができないと、社員に『この会社は伸びそうにない。ここにいても成功できない』と感じさせてしまいます。するとどうなるか……優秀な人から抜けていきます」

講演に集まった聴衆と近藤太香巳の集合写真

会社の成功に「人材」が欠かせないパーツなのは、経営者なら誰でも知っているだろう。優秀な人材に活躍してもらう土台を築きそれを維持するには、リーダーが率先して明るく努め、全社で“いいムード”を醸し出すことが第一歩なのだ。

経営状態が厳しくても語り続けた「明るい未来」

リーダー、経営者は、社員の2歩先を歩んでいなければならないと近藤代表は唱える。リーダーが明るく希望を持って先を歩けば、後ろをついてくるメンバーは、「自分たちが向かう先にすごいことが待っている」という気持ちになれる。時には社員に夢を語り、会社の前途に明るい未来が待っていると信じさせる。これもリーダーの大きな役割といえる。

しかし、近藤氏も起業した時から、今のように事業展開について明確にビジョンを示せたわけではないようだ。

「現在なら私も社員を目標へ導くため、具体的にあれこれと語ることができます。売上高や利益率、新規事業のスタートなど材料があるからです。希望を感じられる未来の姿を、明確にイメージをいだかせるように語ります。

しかし、創業期は、語れる夢もなければ、夢を語っている余裕もありませんでした。毎日、目の前の仕事を処理するだけで精一杯。加えて、現在のように確固たる経営基盤もなく、経営者である私の舵取り一つで、明日をも知れぬ身となるプレッシャーもありました」

近藤太香巳の講演中のポートレート

今ではグループの総売上が180億円を超える企業の創業者である近藤氏も、会社が軌道に乗るまでは、苦労を重ねながらも社員にはそんなそぶりは露程も見せず、ひたすら「成功」を語り続けたという。

「創業期の会社経営は、とかく困難なものです。それでも、社員には、未来に希望を持たせる話をしました。根拠が薄弱でも、自分たちが進む先に大きな成功が待っていると語り続けました。

すると、この人についていけば、成功できる、社員がそんな気になってくれて、常に前を向いて働いてくれました」

ホスピタリティ精神が会社にもたらすこと

ビジネスを進める中で、ホスピタリティ精神について考えたことはあるだろうか?
サービスでもプロダクトでも、ホスピタリティ精神がないと成功しないといわれる。では、そもそも「ホスピタリティ精神」とは何なのだろうか?

近藤太香巳の講演中のポートレート

「ホスピタリティとは、相手が喜ぶことをわざとやることです。それは決して自然な優しさではありません。誕生日を迎えた友人を食事に誘い、その裏で友人を集めてパーティーの準備を進め、何も知らない誕生日の友人を連れていくサプライズ。誰でも似たようなことやった経験があるでしょう。

これは自然に生み出されているものではなくて、友人を喜ばそうと計画したこと、つまり、わざと。この“わざと”にこそ、ホスピタリティ精神の神髄があります」

家に帰った時におかあさんに元気な声で「ただいま!」と言うこと、あるいは、お父さんが帰ってきたら玄関まで出迎えて「おかえりなさい!」と言う。そういったことは、中・高生くらいになると恥ずかしくなってやらなくなる人も少なくないだろう。しかし、その恥ずかしさを乗り越えるところにホスピタリティがあると近藤氏は続ける。

「恥ずかしさを乗り越えるために20%の努力をすれば、相手の喜びは200%。そう考えれば、たかだか20%の恥ずかしさなんて些細なことに思えませんか?この20%の犠牲の精神にこそ、ホスピタリティは宿ります。社会で成功するには、ホスピタリティで相手を喜ばせることが、何よりも大事です」

ネクシィーズグループでは、元気な挨拶を大切にしている。明るい雰囲気作りにつながり「いいムード」ができるだけでなく、元気に挨拶する恥ずかしさを乗り越え、相手の喜びを大切にする精神で仕事を進めれば成功すると考えているからだ。

“アニメのヒーロー”のようにかっこよく

「劇的に!」が口癖の近藤氏。いつも見る者に与える印象を計算して、圧倒的なインパクトを与えられるビジネスの構築を自らに使命と課している。そのために、リーダーである自分が率先して動き、悩む。近藤氏を理想的なリーダーと推す声もあるが、本人は理想のリーダーについてどんな見解を持っているのだろうか?

「リーダーは“アニメのヒーロー”のようなかっこよさを持たないといけません。不可能とも思えるようなことを有言実行する。絶対にできないだろうと社員が思うようなことを言って、それを実現して見せる。それが理想のリーダー像です」

講演中の聴衆の様子

ピンチを乗り越えるのは、リーダーの必須条件かもしれないが、一つのピンチを乗り越えても、次のピンチを乗り越えられるとは限らない。そこには仲間の「信じる力」が必要になる。リーダーが率先して難事を乗り越えて見せれば、社員たちも「できる」と信じる良いムードが生まれるのだ。

「私が創業したのは19歳のとき。当然、私は上司というものを持った経験がほとんどありません。社員が増えてリーダーとして振る舞う必要性が出てくる局面に至っても、リーダーとして模範とすべき人が身近にいませんでした。

そこで、理想のリーダー像を紙に書きました。日々の仕事をする中で、こんなリーダーがいれば、社員のモチベーションが上がると思われるリーダー像を作り上げました。そして、その紙に書いた理想のリーダーを演じることにしました」

社長はヒーローでなければならないと唱える近藤氏は、ヒーローを意識して自ら作り上げたリーダーを演じているうちに、演じていることを忘れ、理想のリーダー像が自分となっていった経験を、力強く聴衆に向けて語った。

フロイド・メイフェザーのポートレート フロイド・メイウェザーの語った言葉

世界最強のボクサー、フロイド・メイウェザー。

フロイド・メイウェザーの「圧倒的努力」を証明する言葉を引用。

あきらめずに課題解決を考え抜くのがリーダー

ビジネスの「成功」に関して近藤氏は講演の中で次のように語った。

「成功している事業があり、進捗が好ましくない事業があるとします。差し引きしてうまくいっていればOKとは、私は考えません。成功している事業は脇に置いて、うまくいっていない事業を軌道に乗せるため、課題解決に取り組みます」

うまくいかないことを「問題」とするのではなく、解決する課題と捉える。ネクシィーズグループでは「問題」という言葉を使わない。必ず「課題」と言うのだとか。

近藤太香巳の講演中のポートレート

「事業がうまくいかないと『なぜできないのか』と部下に言ってしまいがち。しかし、それは間違いです。どのようにすれば解決できるようになるか考えるのが上司の仕事。

時には、上司である自分が課題の答えを知っていても、あえて言わないで部下に考えてもらいます。どうやれば課題を克服して、目標をクリアできるか?と考えさせることこそ、リーダーの大切な役割です」

社員を前向きな気持ちにさせ、会社を、事業を、成功に導くのはリーダーの責務である。もちろん、成功を目指して社員を牽引するのは大変な仕事だ。時には悩み、傷つき、苦しむだろう。しかし、あきらめずに成功を信じて努力を続けた者にだけ光は降り注ぐ。

「これまでにゼロイチを作ってきた身として、これから成功を成し遂げる皆さんに伝えたいのは、決してあきらめないこと。まずは課題を見つけ出すことに心血を注ぎ、課題が見つかったらそれを解決するために脳みそが沸騰するぐらい考えることです。

ちょっとした工夫や努力でブレイクするのを経験して思うのは、可能性がある限りあきらめてはいけないということ。壁を乗り越える時は、毎日、苦しいもの。けれども、あきらめないでもがき苦しむ中で、一筋の光明を見いだせる時がきます」

ビジネスの目的は利益を生み出すことである。しかし、近藤代表は「それだけではない」と力説する。

「お客様を笑顔にする、その対価が利益です。10年生き残るのは100社中6社。20年生き残るのは100社中2社。ネクシィーズみたいに30年生き残る会社は稀有な存在です。

上場を掴むのは0.1%にすぎません。尋常な努力では生き残れません、そんな中で成功するには、世の中の課題解決について考え抜く経営者でありリーダーです」

~近藤太香巳のリーダー論~ 熱狂チームのつくり方・後編
周囲を熱狂に巻き込むために大切なこととは?

・パッションリーダーズについてはこちら

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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