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「LenaBrain」で人材の思考を見える化して人事の悩みを一気に解決

「LenaBrain(リーナ ブレイン)」【人材分析管理システム】

文/竹田 明 写真/芹澤 裕介(柳澤代表) | 2019.09.30

人材に関する問題に頭を抱えている経営者は少なくないだろう。人材の採用や育成、また、離職防止は、職種や業界を問わずどんな会社にも共通する重要な問題。そんな人事の悩みを解決するための羅針盤となるのが人材分析管理システム「LenaBrain(リーナ ブレイン)」だ。“思考の見える化”を通して、人事の悩みを解決へ導くツールの特徴を、実際に経営に導入している企業経営者の声とともにお伝えする。

「LenaBrain(リーナ ブレイン)」【人材分析管理システム】  

エステサロン『SalonLena&Lena鍼灸院』や『SalonLena痩身専門店』を経営するなかで、人材育成の諸問題を解決するプログラムの必要性を感じた株式会社Lenaの柳澤奈々代表は、心理学の専門家と共に思考を見える化するウェブサービス「LenaBrain」を開発。自社のエステサロンでの2年間の仮説検証を経てプログラムは完成し、店舗数を1→9に大きく増やすことに成功。労働集約型産業向けの人材育成プログラムとして外部への提供を開始し、現在はプログラムのAI化に取り組んでいる。多くの企業が注目している人材育成プログラムと独自ノウハウを提供するため、2019年8月に株式会社LenaBrainを設立。

株式会社シャリオン
代表取締役
角田 哲平(つのだ てっぺい)

美歯口(びはく)オーラルケア商品の製造・開発・販売を展開する、シャリオンの創業者。国内加盟店5500店を超え、2019年には「アジアの注目企業100」 (運営:イシン)に選出。一般財団法人 日本次世代企業普及機構から、次世代に残すべき組織・企業として「ホワイト企業認定」 も受けている。

Q:人材分析管理システム「Lena Brain」との出合いは?

美容ビジネス関連の情報・意見交換を行う「ビューティ・ビジネス・コンプライアンス研究会(BBCA )」に参加したとき、隣の席に座っていたのが「Lena Brain」を開発された柳澤さんでした。「Lena Brain」は、サービスの内容を聞いてすぐに導入を決めました。それと同時に、柳澤さんが実際に経験した成功事例も伺い、このサービスはさまざまな企業の手助けになると思い、販売代理店としての契約も結んでいます。

Q:「Lena Brain」を導入することで会社にどのような変化がありましたか?

会社が急速に拡大・成長するなかで、従業員のストレス状況を把握することも重要な経営課題でした。戦略的にマネジメント変革に取り組むためのツールとして、「Lena Brain」を導入することにしました。

従業員を属性として把握することが出来るので、個々の強みや弱みを考えた上でチーム編成することができ、チームワークが向上しました。また、従業員自身も自分の特徴や強みを把握でき、社内のエンゲージメントもアップ、チームリーダーの責任感が増した結果、生産性も上がりました。

加えて、採用時の適性診断でも活用しています。応募書類や面接などでは把握しきれない応募者の「資質や適性」も一目瞭然で把握できるため、自社に必要な人材かどうかを見極めるのにも役立っています。

Q:「Lena Brain」の販売代理店になった理由は?

働く人たちのストレスを軽減したいと思ったからです。ますます激しくなる競争社会、管理社会のなか、ストレスが原因で“心の病”にかかる人が増えています。「Lena Brain」は社員が自分の特性を把握し、経営者も個々の社員の特性を把握することができるルーツですので、機能的に社員のストレスと向き合うことが可能です。これを活用することによって“心の病”にかかる人の数は減少するはず。今後は「Lena Brain」のユーザー、かつ販売代理店としてストレスフリーの働き方改革を啓蒙していきたいと思っています。


 

人事のあらゆる局面で活用できる「LenaBrain」

人材分析管理システム「LenaBrain(リーナ ブレイン)」は一言で言うと、人の思考を見える化するツールだといえる。やり方は、ウェブサイト上で「娘のピアノの発表会に友人を呼びますか?」といった、生活の中の具体的なシチュエーションでどのように判断するかを問う[38]の設問に答えるだけ。あとはプログラムが自動で診断結果を紡ぎ出してくれる。時間にして15分~20分。テストを受けた人がどんな思考パターンをしているか、結果はグラフや数値を使ってわかりやすく一覧表示してくれる。

「LenaBrain」は、人事やマネジメントにおけるあらゆる局面で活用できる。

例えば、目標設定のシーン。定期的に「LenaBrain」でテストを受けてもらえば、従業員が自分の“現在位置”を確認すると同時に、目標を設定し、そこへ向かうには何をするべきかを考える契機にすることができる。そこへ、会社が研修を組んだりアドバイスしたりすることで、どれぐらい成長したかもわかり、人材育成が可視化される。

また、従業員を採用する際に「LenaBrain」でテストしてもらえば、仕事への適性やその人物の傾向性が把握でき、自社のカラーにマッチするか、あるいはどんな職種に付ければいいのかが一目瞭然となる。

株式会社Lenaの柳澤奈々代表。「Lena Brain」は、実際に柳澤代表がエステサロンを経営するなかで経験した人事の課題から生まれた。

横軸と縦軸で“現在位置”をわかりやすく表示

具体的に、「LenaBrain」でどんなことが可視化されるのだろうか。

多くの企業が必要としているのは、指示がなくても状況を把握して的確な判断で問題を解決し物事を推し進める人材だ。そういう人材に欠かせないのは、「コミュニケーション力」と「問題解決能力」。仕事を遂行する上で欠かせない能力だが、極論すれば、この2つの能力を備えていれば、大抵の問題を自ら考えて乗り越えるだろう。

「LenaBrain」は、ずばり、この「コミュニケーション力」と「問題解決能力」を可視化する。すべての出発点はここにある。

「LenaBrain」のテスト結果は、横軸に「コミュニケーション力」5段階、縦軸に「問題解決能力」5段階で分類したグラフで示される。右にいくほどコミュニケーション力に優れ、上にいくほど問題解決能力が高い。右に位置する人間は、販売職や営業職、接客業などに向いている。他方、左に位置する人間は、事務職やエンジニアなどデスクワークに適した人材といえる。

「問題解決能力」が高い人は、自ら考えて動ける人材であることを示している。上2つのレベルなら指示がなくても仕事を任せられると判断できるという。店長にするなら上2つのレベルでないと現場をうまく仕切ることができず、ストレスを溜めてしまい離職につながる可能性もある。そういう場合は、「問題解決能力」を高めるトレーニングをしてから責任あるポジションに付けるのがベストな選択といえる。

さらに、採用時の面接に導入すれば、合否の参考になるだけでなく、採用後の配置にも生かせる。事務職希望で応募してきた人でも「コミュニケーション力」があるなら、営業や販売を任せてみることも可能だ。

また、「LenaBrain」の読み解き方を知っていれば、例え新入社員でも「LenaBrain」による診断結果を見るだけで、その人がどんな人間性で、何を重点的に教えればいいのかすぐにわかる。慣習や感覚で進められがちな人材育成が劇的に変わる羅針盤となり得るのだ。

6つの力に細分化して人材育成の方向性を決定

次に注目したいのが、育成の方向性。実際に研修や仕事を通じて成長するには、どうやって「コミュニケーション力」と「問題解決能力」を伸ばすかが重要で、それぞれの能力をより細かく分類することで、育成の方向性が見えてくる。

「LenaBrain」による「コミュニケーション力」の分類は次の6つ。

【傾聴力】相手の言葉を遮らず最後まで聞き取る力
【共感力】相手の感情や気持ちに寄り添い素直に共感する力
【受容力】相手の意見や考え方を批判しないでありのままに受け入れる力
【自己開示力】自分の考えていることや感じていることを積極的に伝える力
【主張力】自分の考えや意見を明確に発言し伝える力
【プレゼンテーション力】資料やデータを用い相手に分かりやすく説明する力

コミュニケーション力が不足していると一口に言っても、「傾聴力」が低いのと「自己開示力」が足りないのでは、トレーニングの方向性は大きく異なる。傾聴力を身に付けるなら人の話を聞くように訓練しなければならないし、自己開示力を高めるには積極的に発言する機会を作らないといけない。

同じく「問題解決能力」も、6つの力に分類される。

【計画立案力】目標の達成に向けて短期的・長期的な計画を立てる力
【情報収集力】情報のネットワークを築き、多方面から情報を収集する力
【企画提案力】目的達成のために、いろいろな情報やデータを統合して形にする力
【迅速実行力】課題達成のために、素早く意思決定し迅速に行動する力
【変化応用力】環境の変化や関係者に合わせて、柔軟に対応する力
【完結達成力】目標や課題を中途半端で終わることなく完結する力

PDCA(Plan計画/Do実行/Check確認/Action改善)のサイクルに沿って分析しているため、6つの力を平均的に高めれば、個人の店舗マネジメントやプロジェクトを推進する力が養える。

また、これらが把握できていれば局面ベースでの適材適所も可能。アイデアが欲しければ、企画会議に「企画提案力」に優れた人材を集めればいいし、臨機応変な対応を求められるシーンには、変化応用力の高い人材にリーダーを任せれば難局を乗り切ってくれるだろう。

加えて、「LenaBrain」は「ストレス状態」と「ストレス耐性」も数値化してくれる。人材育成の中で高ストレスがかかっている人材が一目でわかり、早めのケアをすることで離職防止にも役立てられるというわけだ。

日本初!「思考」を見える化する適性検査

一般的な適性検査が「性格」と「能力」の2領域を測定するのに対し、「LenaBrain」は検査対象の「思考」を見える化する。「思考」はトレーニングによって変えることができるという点が重要だ。「LenaBrain」が人材育成の羅針盤になるのは、トレーニングの結果を反映して、テスト結果が変わるからなのだ。柳澤社長曰く、「思考」を見える化する適性検査は、まだ日本にないという。

さらに言うならば、「性格」と「能力」を変えようとすると“人格攻撃”になってしまう場合があり、パワーハラスメントと捉えられる可能性もある。思考を変えるだけなら、性格に触れることもないので、コンプライアンスの上でも安心だ。

「LenaBrain」で見える化した人材情報をいかに分析して育成に生かすかは、まだ属人的な部分。「LenaBrain」を開発するLenaBrain社では、活用事例のデータを収集してAI(人工知能)で解析し、人材育成のノウハウを可視化するプロジェクトをスタートさせている。これが完成すれば、人材の把握から育成まで、一貫したITサービスの提供が可能となる。

株式会社LenaBrain
TEL:03-6228-7775

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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