市場創出力

「牛」「人」「笑顔」のために、先端技術導入で楽しい農業を目指す

株式会社十勝ふじや牧場

代表取締役

藤谷竜也

文/宮本育 写真/守澤佳崇 | 2021.11.10

Q1起業家・経営者になったきっかけを教えて下さい。

藤谷牧場は妻の実家でした。後継者がいないということで、後を継いで妻を幸せにしたいと思い、婿入りを決意。まったく農業の経験がなかったので、清水町にある牧場で1年間の修業をし、30歳のときに就農しました。しばらくは自営業で運営していましたが、さらなる飛躍を目指し、2021年2月に法人化しました。

Q2貴社の強み、特徴を教えて下さい。

AIにて牛の体調管理を行っているところです。大きさが固定される18、19カ月からセンサーが付いたウェアラブルデバイスを牛の首に装着し、24時間365日、牛の活動量などのデータを収集し、起立困難事故の防止などに役立てています。システムを導入することで、これまで4時間おきに行っていた牛舎の見回りが不要になり、労力の軽減などを実現しています。

Q3今後の展望、目標を教えて下さい。

これからの農業は発信も重要なので、体験農場などを通じて、農業の楽しさを伝えたいです。さしずめ、トラクターやコンバインの運転体験、四輪バギー体験を予定しています。牛の肥育については、現在、出荷する牛は800~900kgですが、今後、1000kgで出荷できるよう目指していきたいです。

Q4経営理念について教えて下さい。

コンセプトは「For FUN!」。これを叶えるには、For Human、For Cow、For Smileが欠かせません。共に働く人、牛、そして仲介業者、消費者の笑顔のために何ができるかを考え、それぞれの幸せを守ることが、私たちの楽しさや正しいことができる原動力であり、ひいては農業の発展や食の安全につながると信じています。

Q5最近の趣味やこだわりを教えて下さい。

今後の人材教育用の動画のためにと始めた、ドローンやGoProでの撮影です。作業の様子や畑の生育状況を撮影しており、動画はYouTubeでご覧いただけます。先日も、近所の農家さんの作業風景を撮らせてもらい、普段は見られないアングルからの映像にとても喜んでいただけました。そのような交流も楽しみの一つになっています。

株式会社十勝ふじや牧場 代表取締役 藤谷竜也(ふじや たつや)

1976年、北海道千歳市生まれ。工場に勤務していたとき、藤谷家の長女である奥様と出会う。藤谷家の家業である牧場の後継者がいないことを知り、自身が後を継ごうと決意。1年間の修業を経て、30歳のとき、婿養子に入る。牧場経営の発展を図るため、2021年2月に法人化。現在、奥様と義父母と共に、AIを活用し、約200頭の黒毛和牛・交雑牛を肥育しているほか、約40haの畑で小麦や小豆などの栽培も行っている。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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