写真/芹澤裕介 文/編集部 | 2017.07.13
“えのすい”こと新江ノ島水族館が2014年から毎年開催している「ナイトワンダーアクアリウム」は、“夜の水族館”の新しい楽しみ方を提案した画期的なイベント。今では全国の水族館にも広がり多彩な展示に取り入れられています。
“えのすい”の「ナイトワンダーアクアリウム」は、昨年、40万人を超える人たちが訪問し、プロジェクションマッピングなどの映像コンテンツと水族館の展示を融合させた幻想的な空間を楽しみました。
今年のテーマは「満天の星降る水族館」。期間内3つに区切られたパートのうち、パート1の展示を紹介していきます。
「一番星が連れて来た夜」と題されたエントランスのプロジェクションマッピングは、日没とともに現れる星空の中をクラゲやシーラカンス、アンモナイトが現れては消えていくイベントのプロローグ。幻想的な音楽とともに、これから訪れる展示への期待を膨らませます。
天井いっぱいに星が浮かぶ通路を抜けると、相模湾ゾーンの水槽を光のタペストリーが演出する空間へ。昼の展示とはまったく表情が違います。通路にも、触ることで映像が変化し音を奏でるインタラクティブコンテンツを配置。進むほどにワクワクは高まっていきます。
次に現れるのは相模湾大水槽。昼間はキラキラと光を反射させるイワシの大群が多くの人を惹きつける当館きっての人気展示ですが、プロジェクションマッピングと融合した大水槽はより幻想的な雰囲気を醸します。
ここでは、「海という名の宇宙、宇宙という名のいのち~海辺で見つけた不思議な物語~」と題された本イベントのメインコンテンツで、壮大な音楽に彩られた約5分間のプロジェクションマッピングが見られます。
“エデュテインメント型水族館”として“学び”を大切にする“えのすい”らしく、はるか昔に星と地球が出合い、豊穣な相模湾の生き物たちへとつながっていく生命の物語を演出。優雅に泳ぐイワシの大群とのコラボレーションは、まさに“魚とデジタルテクノロジーの融合”を象徴しています。
また、“えのすい”の展示の中でもひと際人気なのがクラゲ。多種多様なクラゲが集まるクラゲファンタジーホールでは、「海月の宇宙~そらを泳ぐクラゲ~」という映像コンテンツを上映。広い宇宙に存在するというクラゲの形をした天体とリアルなクラゲが、ホールいっぱいに映し出される壮大な物語の中で融合しています。
ほかにも、フェリス女楽院大学音楽学部の選曲によるBGMが流れる「太平洋~クラゲサイエンス」の展示や、相模湾で深海調査をしたJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の有人潜水調査船「しんかい2000」のライトアップなどを展示。いずれも幻想的な音楽と水槽のひんやりした感じがマッチして、夏の蒸し暑さから解放してくれる。
また、イルカやクジラのパフォーマンスも夜は特別編で見ごたえあり。「ナイトワンダーアクアリウム」のオリジナル商品も充実しているほか、「オーシャンカフェ」ではスペシャルメニューの“光るドリンク”も販売。
新江ノ島水族館は、昼夜問わず、一度入館したら出入りも自由。年間パスポートは通常の約2回分の料金の値段なのでかなりお得です。雰囲気のある“夜の水族館”は、大人のデートにもおすすめなので、ぜひ一度足を運んでみてください。
有人潜水調査船「しんかい2000」
17:00からのスペシャルドリンクはアルコール・ノンアル合わせて全6種。
ナイトワンダーアクアリウム2017 ~満天の星降る水族館~
期間:2017年7月15日(土)~12月25日(月)
[パート1]7月15日(土)~9月30日(土) 17:00~20:00
[パート2]10月1日(日)~11月23日(祝・木) 17:00~19:00 ※休催日:10月21日(土)
[パート3]11月24日(金)~12月25日(月) (11月4日~12月22日)17:00~19:00、(12月23日~12月25日)17:00~20:00
入場料:大人2100円、高校生1500円、小・中学生1000円、幼児(3歳以上)600円
※昼間・夜間通して一般入場料のみで入場可。
vol.56
DXに本気 カギは共創と人材育成
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社
代表取締役社長
井上裕美