株式会社Free style SUPER CEO
株式会社Free style
代表取締役
近藤 研太郎
写真/芹澤 裕介 文/竹田 あきら(ユータック) 動画/ロックハーツ | 2020.07.10
株式会社Free style 代表取締役 近藤 研太郎(こんどう けんたろう)
高校卒業の3カ月前に中退し、土木、警備員などのアルバイトを経て、19歳で大工に弟子入り。その後、建築会社で足場仮設工事の仕事に就くも、足に腫瘍が見つかり入院生活を余儀なくされる。手術とリハビリで病気を克服し、再び足場仮設工事の世界に戻り、2014年11月に株式会社Free styleを設立。1987年生まれ、千葉県船橋市出身。
住宅用の足場仮設をメイン事業にする株式会社Free styleの近藤代表は、コロナ禍に直面し、このままでは「危ない」と感じた。
「2月と3月は、すでに受注している工事があったため、売り上げに大きな影響はありませんでした。しかし、緊急事態宣言下でリフォーム会社がお客様のもとに訪問できなくなり、加えて、普段はマンションやビルの足場を組んでいる会社が住宅用に参入してきたため、4月以降、受注が激減しました」
「仕事がある状態が普通なわけではない」と実感した近藤代表。コロナ禍を乗り切った後は、自らリフォーム事業を手がけて「元請け」になることで、Free styleを仲間の仕事が確保できる会社にしたいと考えた。
仕事を安定させることで、家庭を守ることができると語る近藤代表。自身の家族だけでなく“仲間の家族も守れる会社”を目指す。
「これからも取引先であるリフォーム会社からの足場仮設をメインにしますが、当社でリフォーム事業をお客様から直接受け、仲間の職人と一緒に最高の仕事ができる環境を整えたいと考えています。下請け仕事だけでは、今回のような事態に直面した時、生き残っていけません。一緒に仕事をしてくれる仲間の存在が大切。彼らを守るには、利益率の高い元請け仕事を手がけるのが一番だと感じました」
Free styleがリフォーム事業を手がければ、リフォームを注文する側にとってもメリットがある。リフォーム工事は、“足場にはじまり足場に終わる”。最初にお客のもとへ行くのも、最後にお客のもとへ行くのも、足場を組む職人たち。「お客様ファースト」を掲げるFree styleなら、お客に過度なストレスを感じさせることなく工事を進められる。現場を知り尽くしている会社だけに工事を手がける職人たちも仕事がはかどる。
「大工や左官工、塗装職人などリフォームに携わる人は、みんな今までひとつの案件をリレーでつないできた仲間です。お客様に自信を持って勧められるメンバーばかり。現場に誰が来るかわかる『顔の見えるリフォーム会社』にしたいと考えています。最初に足場を組む段階でお客様との間に信頼関係を築くことで、後に続く職人たちも仕事がしやすくなります。そして工事の最後を務める当社がお客様に好印象を与えて次の仕事につなげます」
写真のような規模の場合、条件にもよるが工期は1日~5日程度。クオリティの高い堅牢な足場はまさに職人技。
Free styleでは、以前から多角経営の一環で飲食事業も手がけている。コロナ禍は、その飲食事業でも新たな展開を生み出している。
「テイクアウト専門のから揚げ店を運営しているのですが、こちらもコロナ禍で売り上げが低迷。閉店も考えましたが、頑張ってほしいと毎日買いに来てくれるお客様がいるのを見て、経営者として店を生き残らせるために知恵を絞ろうと思いました。来店してもらえないなら、こちらから出向いていこうと考え、キッチンカーを購入。商業施設と提携し、駐車場や空きスペースを活用して販売をスタート。また、コストをかけない方法を模索し、ワンオペで済ませられるようにしています」
近藤代表の考えの基本にあるのは「仲間の生活を守りたい」という思い。足場仮設でリフォームを直請けするのも、キッチンカーをワンオペにしたのも、今回のコロナ禍のようにいざというとき、一緒に働いてきた仲間が仕事を失わないで生活を守る仕組みを事前に準備しておくため。今後もFree styleは近藤代表を中心に、メンバーが協力して生き残り戦略を強化していく。
vol.47
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