株式会社裕和クラブ SUPER CEO

実践! “超”働き方改革 「責任を持って休みます」

株式会社裕和クラブ

取締役社長

野口慎之助

写真/田村和成 文/中野祐子 | 2020.03.10

飲食店、美容サロン、ホテルの区分経営と、積極的に事業を展開する裕和クラブ。好調な波に乗っていった経営の変革について話を聞くと、独自の価値観(戦略)に触れることができた。

株式会社裕和クラブ 取締役社長 野口慎之助(のぐちしんのすけ)

鹿児島県生まれ大阪府育ち。メディア系の専門学校を卒業後、飲食事業で店長に。テナントビル所有に伴い、不動産ビジネスに転身。専務として経営を支え、2020年取締役社長に就任。不動産、飲食店、美容サロンと全事業の運営、人事を担っている。

クライアント目線で見極めた物件を厳選

裕和クラブは西野裕明社長が創業。大阪で経営するバーのテナントビル購入を皮切りに、不動産事業に参入し、東京に進出。飲食店や美容サロン、ホテルの区分経営など事業を軌道に乗せてきた。

そんな西野社長の右腕として経営を支えてきたのが野口慎之助専務。二人の趣味であるサッカーでたとえると、西野社長はストライカー、野口専務はボランチのような役割だったが、令和という新たな時代を迎え、野口専務が取締役社長に就任。

ホールディングス化なども見据えての事業承継なのだが、「僕の役割がなくなったからですよ」と笑い、“係長代理補佐待控心得”というなんとも長い役職になった西野“心得”。この常識にとらわれない発想が事業を拡大させてきた理由だろう。

フットサルチームを結成し、専用ピッチ経営も予定している裕和クラブ。試合のシミュレーションを兼ねて就業後にゲームを楽しむことも。遊びも真剣!が野口社長のモットー。

「肩書きが変わっただけで、今までと仕事は変わりません」と、野口新社長はあくまでも控えめだ。

裕和クラブでは、現在、大阪、東京に12棟の収益物件を所有。ホテルは3室を区分経営している。

「ホテルの区分経営は、管理業務のすべてをホテルの運営側が行ってくれるので、こちらは手間がかからず、料金滞納やトラブルがほぼないことがメリット。利回りもまずまずなので、立地やニーズを見極め、保有数を増やしていく予定です」

この見極める眼こそ、野口社長の武器。不動産だけではなく、多くの事業に携わったキャリアから培われたものだ。

「Bar KING」は2020年で18年目

「KING’S Bar GARDEN」はロックパンクテイスト、こちらは15年目

「私は、どんな物件に入りたいか、どんな物件ならお客様が来店するかが、店側の視点でつかむことができます。たとえば、店舗は1階の方が流行ると思われがちですが、一概にはいえません。当社のBar KINGもビルの2階にありますが、駅近で、ビルの前の土地は高層建築の予定がなく、視界も良いので、足を運んでくださいますね。おかげさまで、収益物件は空きゼロの状態が続いています」

仕事以外も全力!だから成長できるし仕事も面白くなる

取締役社長就任を機に野口社長が一段と注力していることが「働き方改革」だ。

「当社はもともとスーパーフレックスというか、仕事の時間も方法も個々の裁量に任せていました。定休日以外、休みがないことが多い飲食店も店長判断で臨時休業にしても構いません。

ただ、売上が下がったり、誰かに迷惑をかけたりするのは言語道断。スタッフにはそのことを伝えているし、みんな“責任を持って”休んでいます」

労働時間短縮や有給休暇増加がメリットの働き方改革だが、仕事をしなくてもよいと働き手がはき違えては元も子もない。

オフタイムも充実させながら、負担なく働くことで、生産性や売上の向上を図ることが重要であり、裕和クラブでは、それをスタッフ一人ひとりが自覚し、実践しているのだ。

さらに、裕和クラブが経営し、前出の西野“心得”の奥様(※本記事入稿時点では)である西野智子代表が施術や人材育成に携わる総合美容サロン「Beauty Mode」でも、女性の働き方改革を確立済だ。

総合美容サロン「Beauty Mode」。2019年には、2号店になるアイラッシュ専門店をオープンした。今後は女性支援の仕組みを加速、スクール事業も展開予定だ。

「二人のお子さんがいる智子代表を筆頭に、Beauty Modeのスタッフ全員が子育て真っ最中のママです。そのため、営業時間は保育所や学童保育の送迎に支障のない10時から18時まで。

予約状況に応じたシフトと時短勤務、子どもの行事や急病などによる欠勤、産休、それに伴うスタッフ間のフォローなど、ママが安心してしっかり働ける仕組みを構築してきました。時間も人も少なくても、来客数や売上に影響はありません」

今後は働き方改革の一環として、ステップアップやセカンドキャリアのためのステージも用意していきたいと語る野口社長。

「私も飲食事業、不動産、経営者と、違うことにチャレンジし、成長してきました。同じところに留まっていては面白くないですからね」

企業情報

  • 株式会社裕和クラブゆうわくらぶ
  • 大阪・東京で、不動産事業、区分所有によるホテル経営、飲食事業、エステサロン事業など多角的にビジネスを展開。「Bar KING」「KING’S Bar GARDEN」は常連が多く、駅近ながら、飲食店の密集エリアから少し離れた隠れ家的な雰囲気が好評。
  • 業種
    スポーツ
  • 本社
    〒569-1124
    大阪府高槻市南芥川町8-26
  • 上場
    非上場
  • サイト
  • Tel
    072-684-0757
  • 問合せ
    yuwaclub.inc@gmail.com
    http://yuwaclub.com/contact.html
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vol.45

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ライフスタイルアクセント株式会社

代表取締役

山田敏夫

「世界に誇れるメイド・イン・ジャパンの一流ブランドを生み出したい」。そんな思いから、代表の山田敏夫氏が2012年にファクトリーブランド「ファクトリエ」を旗揚げ。優れた技術を持った日本国内の工場を開拓し、コロナ渦でも好調な売上を保っている。その原動力となっている山田氏の「熱狂」に迫る。

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