株式会社POLARIS SUPER CEO

磨き上げた“提案力”で、LED業界を活性化し社会の停滞感を打ち破る!

株式会社POLARIS

代表取締役

三戸 理

撮影/十万正人 文/松本理惠子 動画/ロックハーツ | 2021.01.12

大手がひしめくLED照明業界で、中小企業ながら存在感を示す株式会社POLARIS。アイディアの光る製品を次々と世に送り出し、“人の暮らしと心”を明るくしてきた三戸理代表が、今の時代を生き抜く戦略や今後のビジョンを語る。

株式会社POLARIS 代表取締役 三戸 理(みと おさむ)

1971年生まれ。兵庫県神戸市出身。関西学院大学法学部卒業後、1995年、昭和シェル石油株式会社入社。1998年、家業である株式会社三信商会を継承し、社長に就任。2012年6月、LED照明のファブレスメーカーとして、株式会社POLARISを設立。趣味は学生時代から続けるサッカー。週に1回はフットサルを楽しむ。

自社の特色を打ち出していくための“提案力”を重視

POLARISは2012年の設立以来、ベンチャー企業であることや自社工場を持たないファブレスメーカーであることの利点を活かし、「こんなLED、あったらいいな」の声を形にしてきた。2019年には、水銀灯並みの明るさと小型化、加えて従来のLEDに負けない長寿命化という3つの難題をクリアした、自社開発のLED照明『Air LEDs』シリーズで特許を取得。

また、直進的な光の特性から、白熱灯のような柔かい明かりを出すのが難しいとされるLEDにおいて、優しく光るダウンライトを開発し、病室などに多く採用されている。

特許を取得した「Air LEDs」。左:縦型、右:横型。

「Air LEDs」は、日本電産製のファンを使用することで長寿命に。また、小型化に成功したことで、灯かりの部分のみ交換すれば従来の照明器具や街の景観はそのままに、省エネを実現できる。ファブレスメーカーの利点を活かしたPOLARISならではの商品だ。

POLARISが開発した薄型ダウンライト。LEDを点で並べ、導光板に光を乱反射させることで、優しく温かみのある明るさを演出。病室の天井に採用すれば、安らぎや癒しを与えつつ省電力が叶う。

POLARIS製品の強みは、性能の高さもさることながら、既存の照明器具を換えずに明かりの部分だけをLEDに交換できること。三戸理代表は「器具をそのまま使えることにより、部屋や街の雰囲気が変わらない点や、廃棄物を出さずエコである点も喜ばれています」と胸を張る。

既存品とは一線を画す新製品を生み出し、顧客を満足させてきたPOLARISだが、現在は“提案力”に力を入れているという。

「LEDは2018年頃までLEDチップの性能がどんどん進化し、創業当時から比べれば半分以下の電力で同じ明るさが出せるまでになりました。しかし、現在は革新的な技術の進化が止まり、停滞している状態です。他社との違いを出しにくくなる中で、自社の特色を打ち出していくためには、提案力を高めることが大事だと考えました」

顧客のニーズに応じたプランと、製品の持つ特性を提案

三戸代表が言う提案力とは具体的に何を指すのか。

「提案力には2つあると私は考えています。1つめは“顧客のニーズに応じたプラン”を提案する力。2つめは“製品そのものが持つ提案力”です」

まず1つめの提案力については、顧客の要望を言葉通りに受け止めるのではなく、ニーズの“芯”をとらえることが重要だと三戸代表は話す。

例えば、従来の照明からLED照明に変えたいというとき、主な目的は“明るさ・省エネ・コストダウン”の3つに集約される。ただ、顧客は照明について詳しくないため、明るくしたいならワット数を上げればよいと単純に考えがちだ。すると、選択した手段が有効に働いていないことが往々にしてある。

「先日もある大学から、野球場の外野を明るくしたいので照明をLEDに変えたいとの相談を受けました。ところが、実際に現場を見てみると、LEDに変えたとしても外野まで明かりが届かないことが分かりました。そこで、外野に照明器具を増やすことを提案しました。

新たに照明器具を設置しても、球場の全ライトがLEDになれば消費電力は下がるので、一定期間使えば従来の照明を使い続けるよりコストが下がります。そういった提案をすると、なるほどと納得してもらえました」

2つめの提案力については、「他社製品にはない“個性”が提案力となって作用する」ということだ。例えば110W形のLED蛍光灯だが、既存製品は240㎝という長さが仇となり輸送料が高額になったり、配送を断られたりすることがある。

そこで、顧客から「蛍光灯をコンパクトにしてコストダウンできないか」とのリクエストを受けた。三戸代表はそれを無理難題とは考えず、「良い宿題をもらった」と社に持ち帰り、開発チームと話し合った。

「120㎝×2本に分割して輸送し、現場で連結して使うというアイディアが出ました。ただ、実用化するには連結するためのパーツが必要です。パーツの形状や強度、素材、接続のしやすさなど、あらゆる点で試行錯誤をしました。そして1年近くを経てようやく納得のいく製品を開発することができました」

長さを半分にしたことで配送コストのカットを実現。明るさや耐久性は従来品と遜色ないというから驚きだ。現在は、全国の屋外大型看板や工場、倉庫の照明などにシェアを拡げている。

顧客の要望から生まれた画期的な製品。従来は240㎝だが、2本に分割することで輸送コストを削減。三戸代表は「定型のものを短くするという発想は我々にはなかった。専門外だからこそ出てきた面白い発想ですね」と語る。

ただ、2020年はコロナ禍により新規顧客開拓は厳しかった。三戸代表はアフターコロナを見据えて、こうビジョンを語る。

「LED照明業界では当社はまだひよっこです。これから売れる商品をもっと増やし、提案力で勝ち残っていきたいですね。そのためには、我々が売りたいものを売るのではなく、顧客のニーズを吸い上げてスピード感をもって市場に投入していくことが大事であると考えます。照明は人類にとってなくてはならないものであり、安心安全を与えてくれるものです。人を温かい気持ちにさせる「Delight Company」を目指して、社員と心を一つにして進んでいきます」

企業情報

  • 株式会社POLARISぽらりす
  • 独自開発による高性能かつフレキシブルなLED照明を提供。日本人技術者が商品開発を行い、LEDがもつ課題(直進的で強い光、色合い、既存の照明器具に入らないなど)に取り組んでいる。また、照明は生活の大事な基盤となる社会インフラであるため、できるだけ現状の照明環境を大きく変えることなく、自然にLED照明に移行できるよう製品開発をしている。あえて自社工場を持たない“ファブレスメーカー”の形態を取り、自ら選定した工場で、製造ラインの構築から製品完成まで立ち会う。そうすることで、品質管理・向上を徹底し、顧客の細かなニーズを実現している。カスタム対応は、当社の優位性の一つ。
  • 業種
    製造
  • 本社
    〒553-0003
    大阪府大阪市福島区福島7-14-18
  • 設立
    2012年6月26日
  • 上場
    非上場
  • サイト
  • Tel
    06-6455-8612
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vol.50

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