サービス力

仕事するなら笑って楽しく 電気工事は「プラモデルのようなもの」

株式会社光栄電気工事

代表取締役

水流寿光

写真/松井なおみ 文/西倫世 動画/ロックハーツ | 2019.09.10

名古屋市を中心に、公共施設や住宅の電気工事を手がける株式会社光栄電気工事。創業は1989(平成元)年、今年2019年に30周年を迎えた。令和という新時代を迎え、2020年東京オリンピックも控えた今、新たな一歩を踏み出そうとしている。

株式会社光栄電気工事 代表取締役 水流寿光(つるひさみつ)

1967年、愛知県名古屋市生まれ。大学文系学部を卒業後、父が創業した光栄電気工事に就職。理系は不得意分野ながら現場で経験を積み、一級電気工事施工管理技士、第一種電気工事士の資格を取得。現場管理、営業を経て、2012年、代表取締役に就任。20代から70代まで幅広い世代の社員と、柔軟な現場対応を行うべく日々奮闘している。

公共工事の実績豊富な名古屋の「電気屋さん」

名古屋市中村区に事務所を構える株式会社光栄電気工事。父親が立ち上げた会社を2012年に受け継いだのが、現代表取締役である水流寿光氏。名古屋市住宅供給公社の指定工事店で住宅の配線工事、照明の取り付け工事を行うほか、区役所・市役所・学校といった公共機関の改修工事も担当するなど、地元に根付いた工事を数多く手がけている。

「公共工事は、当然入札で工事業者が決まります。これまでの実績は特に考慮されるわけではないので、常に積算して入札価格を予測していくしかない。落札するのは簡単ではありませんが、これまで公共工事ベースに事業を展開してきました。

民間工事をメインとしている電気屋は、公共工事の煩雑な書類の準備を嫌う傾向にあるので、新規参入してくるケースが少ない。そういう意味では、これまでのノウハウは生きていると思います」

電気工事のため訪問するのは住宅や公共施設。コンセント工事、照明設備工事、電柱から各家庭に電気を送る引込線工事など、生活に密着した工事を手がけている。

30年に渡る公共工事の実績に加え、武器となるのは機動力。2000年の東海豪雨では名古屋市周辺は総雨量が500mmを超え、あちこちで停電が発生。深夜対応できる工事店が少ないなか、同社は夜通し作業を続けたという。

「生活には水が大事だとよく言いますよね。人間は飲む水、お風呂に使う水は我慢できても、トイレは我慢できません。今の時代、水洗トイレを使うには動力となる電気が必要なんです。台風の影響でとあるマンションのトイレが使えなくなってしまったときも徹夜で作業しました。

基本的には地元のみなさんの生活に密接に関わる案件が多いので、街角で『電気屋さん、さっきはありがとう』と声をかけていただくようなこともあるんですよ。人のためになっているというのは、モチベーションのひとつになっています」

電気工事といっても、具体的に何をどうするかは世間一般にはわかりにくい。社長になるまでは工事の責任者として電気工事の最前線にいた水流氏に電気工事について聞くと「一言でいえばプラモデルのようなもの」だと説明してくれた。

「設計図に基づき、いろんなパーツを組み立てて完成させるという意味では、電気工事はプラモデルみたいなものだと思うんです。プラモデルのクオリティを上げるには、単純にパーツを組み立てるだけじゃなくて、それぞれのパーツを爪切りできれいに切ったり、やすりをかけたりすることで、きれいに仕上がる。

それと同じで、ちょっとしたひと工夫で最終的にはよりよいものになるのが、電気工事のおもしろいところでもあり醍醐味です」

社是は報告・連絡・相談。「社会人として当たり前のことですが、電気工事は建設業の一貫。連絡ミスが大きな事故につながる可能性があるので、基本を徹底しています」と水流氏。

少数精鋭から多士済々へ

同社の社員数は現在6名。20代から70代までと幅広い。今後ベテラン勢が卒業していくことを考え、目下の目標は人材の確保。ゼロから育成していく若手、即戦力になる経験者、どちらも視野に入れている。

「知識はあとからついてくるもの、まずはやる気と実直さが一番だと考えています。僕は“一生懸命やったら必ず誰かが助けてくれる”が信条。僕自身、仕事がパンク寸前になったとき、知人に助けてもらったことがあるんです。新規事業で、依頼主も僕らも仕事の段取りをうまくつかめていなくて、いざ工事がスタートすると、とても時間と手間がかかると発覚。

手伝ってくれる外注先がなかなか見つからなかったとき、知人が手を差し伸べてくれました。真面目に仕事をしていれば、困ったときは誰かに助けてもらえる、そう実感してもらえるよう、新入社員をしっかりサポートしていくのが僕の役割です」

売り上げの3割は古屋市住宅供給公社の仕事だが、今の時代を考えると、公共工事はどうしても減っていく傾向にある。経営の安定のため、積極的に民間工事にも取り組んでいきたいという水流氏。

「実は民間工事のご依頼はたくさんあるのですが、何せ社員の人数が足りず、対応しきれていない状況です。とはいっても、ガンガン仕事を増やすため、たくさん人を雇って数をこなしたいというわけではない。

まず人材を得て、今ある仕事のレベルを上げる。そうすると現場に余裕が出るから、そこではじめて新しい仕事が請けられる。そうして少しずつ幅を増やしていけたら。仕事は楽しく笑ってやりたいですよね」

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vol.40

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株式会社 幻冬舎

代表取締役社長

見城徹

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