公共電気工事で培った技術力と実績を強みに新たなステージへ | 株式会社光栄電気工事 水流寿光|注目の経営者|SUPER CEO

サービス力

公共電気工事で培った技術力と実績を強みに新たなステージへ

株式会社光栄電気工事

代表取締役

水流寿光

写真/スギヤマオサム(ステイプル) 文/小幡奈々 動画/ロックハーツ | 2018.08.31

平成元年の創業以来、名古屋市を中心に公共施設の電気工事を請け負う、株式会社光栄電気工事。6年前に事業継承し代表となった、水流(つる)氏が見据えるその先は――。

株式会社光栄電気工事 代表取締役 水流寿光(つるひさみつ)

1967年、愛知県名古屋市生まれ。大学文系学部を卒業後、父が創業した光栄電気工事に就職。理系は不得意分野ながら現場で経験を積み、一級電気工事施工管理技士、第一種電気工事士の資格を取得。現場管理、営業を経て、2012年、代表取締役に就任。20代から70代まで幅広い世代の社員と、柔軟な現場対応を行うべく日々奮闘している。

事業を継承し、販路拡大を狙う

名古屋市を拠点に、公立の小中学校における改修および新築案件の大規模電気工事を請け負うほか、住宅供給公社管轄の市営住宅の委託店として保守管理も行う、株式会社光栄電気工事。水流寿光代表は、先代が30年前に創業した事業を継承しつつ、さらなる発展を目指して新たな販路を模索する。

「公共工事の受注は、当然ながら一般入札をして落札ができてから。名古屋では当社と同クラスの有資格社が70〜80社あり、多いときには一度の入札に40数社が集まりますから、昨年度も約30案件ほど入札して落札できたのは2件。積算して入札して予定価格に近付けるのは、容易なことではないですね」

データを取る緻密な作業は得意だったが、創業者である父からは「そんなもの役に立つか!」と言われ続けた。人に教えられたわけでなく、積算マニュアルを手本に自分なりのやり方を見い出し、昨年度は公共施設の大規模改修工事を7,000万円で落札した。着実に落札を重ね増収益につなげているが、意外にも学生時代は公務員志望だったという。

「光栄電気工事はサラリーマンだった父が1989年に独立開業した会社ですが、まだ学生だった私はまさか自分がそこに勤めるとも、まして後継者になると思いもしませんでした。景気後退に伴う人手不足を補うべく就職しましたが、電気工事は職人仕事。文系学科卒の私は、アース工事も配管、配線も何が何だか分らない。とにかく現場でメモを取っていると『何の役に立つんだ!』『何を見てきた!』と父にどやされ、『何クソ!』と思いながら父を見返したい一心だった気がします」

テスタやクランプメータ、絶縁抵抗計、漏電遮断器など、電気工事に不可欠な導通確認を行う工具も“ベテラン”の風格が漂う。

20代で専務職に就いたが、肩書きに相応しい実績を身につけようと歯を食いしばって現場経験を積んだ。30歳を過ぎた頃、ようやく職人と対等に話ができるようになった。実務と並行して取り組んだ一級電気工事施工管理技士試験は、資格取得まで足かけ10年かかったが、誰よりも父である先代が喜んでくれたとき、ようやく一人前になれた気がした。そんな水流代表が社会における自社業務の必要性を実感した、忘れられない出来事がある。

「2000年の東海豪雨です。当社は住宅供給公社の指定工事店になったばかりのルーキーでしたが、夜間対応できる工事店がなく、お声がかかりました。名古屋市周辺は総雨量が500mmを超え、市営住宅も漏電による停電があちこちで起こり、夜通し車を走らせて管轄エリアの市営住宅の漏電復旧工事に努めました。深夜0時に緑区の市営住宅に向かい、復旧させて明け方に帰社すると次は北区、午後は西区と不眠不休で対応するなか、電気のない生活の不便さを実感された住民の方々から思いがけず感謝の言葉をかけられました。甚大な水害でしたが、自分の生業で皆さんのお役に立てて良かったと思いました。このときの経験が自信につながりましたし、何より会社の信用度が上がったのかなと思います」

長年、培ってきた技術力と即行動できる柔軟性は、“少数精鋭ならではの小回りの利くサービス力”だと自負する水流代表。社員の日頃からの労をねぎらい、また家族の方々への感謝の意を込めて、2018年、会員制リゾートホテルの会員権を取得して福利厚生の充実を図った。

「2019年で、当社は創業30年を迎えます。今後は先代が築き上げた公共電気工事事業をより盤石にしながら、2020年の東京オリンピック開催を目前に増加している民間向け電気工事事業にも挑み、新たな間口を広げていきたいと思います」

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vol.34

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「経済情報で、世界を変える」をミッションに掲げるユーザベースは、企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」など経済情報に軸を置いた事業を展開。創業5年目で海外へのサービス提供に乗り出し、2016年には東証マザーズへ上場。快進撃の背景にあるものとは?
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