人をつないで町をリノベーション 笑顔をもたらす町おこし請負人 | 株式会社スプリームハウス建築工房 川口・工務店 川口展満|注目の経営者|SUPER CEO

企画力

人をつないで町をリノベーション 笑顔をもたらす町おこし請負人

株式会社スプリームハウス建築工房 川口・工務店

代表取締役

川口展満

写真/若原瑞昌 文/吉田正広 | 2018.02.28

建築物だけではなく、“町のリノベーション”も請け負う異色の建築士。地域をよみがえらせて地元に笑顔を取り戻すスプリームハウス建築工房・川口代表による町再生術に迫る。

株式会社スプリームハウス建築工房 川口・工務店 代表取締役 川口展満(かわぐち のぶみつ)

1976年、東京都生まれ。中学時代からアルバイトで大工の現場を経験、職人畑を歩み続ける。26歳で独立するも倒産。再起をかけて30歳で独立に成功し、2010年、大工仕事のみならず、内装から塗装、電気設備、デザイン、営業まで一貫してまかなえるスプリームハウス建築工房を設立。

衰退する地域を救いたい

全国で増え続けるシャッター通り。商店街が潤わないと、地元から人々が離れ、路線価が下がり、やがて町は死にかねない。ここに、そんな状況に歯止めをかけるべく立ち上がった男がいる。

「私が手がけるのは、遊休不動産を活用して雇用を生み出し、地域を活性化させて路線価を上げる“町のリノベーション”です」

そう語るのは、スプリームハウス建築工房の川口代表だ。これまでも行政によるテコ入れはあった。しかし、局地的な地ならしだけでは、衰退する町を再生させる根本的な解決には至らないことも多かった。

「遊休地はつぶしてパーキングにし、収益を上げるという土地利用の見直しが一時期流行りました。それで、例えば東京の昭島市にはパーキングが増えました。確かに一時的には潤ったかもしれないけれど、人が集まらなければ、町はにぎわいません」

戦後、世界的にも指折りの高度成長を遂げた日本経済だったが、蓋を開けてみれば、特に都市部において、隣人の顔や名前すら知らない無縁社会をつくり出していた。人とのつながりが無いことが、地域が衰退する原因だと川口代表は語る。

衰退した町を再生するには、人々が集うコミュニティを前提とした建築物のリノベーションが必要と考える。

町を再生させたい人々の吸引力に

この状況を重く見た国も法改正に動きだし、2014年、1998年に施行された「中心市街地活性化法」を、民間事業者の取り組みにも補助金や税優遇を受けられるようにした。それまで川口代表は、主に工務店として建築設計や施工を行なってきたが、法改正とともに、衰退する町にはコミュニティが必要だと気づきつつあった時代の流れに乗って、本格的に“町のリノベーション”に乗り出す。

「まず、地元の人々に集まってもらって、ディスカッションやプレゼン大会から始めます。それを仲介したり、取りまとめたりするのが私の役目です。プロジェクトが動き出すと、当初は想像もしていなかった面白い展開をする事例も少なくありません」

色々な「アイデア」や「夢」、「希望」をみんなに出し合ってもらう。ワンマンプレーではない。その町を再生させたい思いのある人たち全員が、プロジェクトに携わるメンバーだ。
ちなみに、川口代表自身のアイデアは“面白さ”がキーワード。

「あまり知られていませんが、昭島市は東京で唯一、地下水だけを水源としている“水の町”です。例えば、その水を使って地ビール造りをしている人と協力して、昭島市に今までなかったB級グルメをつくり、町おこしに役立てれば、再び地域が活力を取り戻して面白いことになるのではないかと考えています」

人と人が再びつながりはじめれば、そこに雇用が生まれ、定住者も増え、出産率も上がることが見込まれる。町が再生するきっかけができれば、あとは好循環に導きさえすれば良い。

「路線価が上がり、町としての価値が高く評価されれば、来街者が増えてお金も投下されます。そうすれば公的な税制優遇などもさらに受けやすくなります」

町づくりは「人のつながりがすべて」という川口代表。地域の人たちと商店街の飲み屋に集まることも多い。

ムーブメントを起こしていずれは全国へ

川口代表はもともとモノづくりが好きで、地域再生にはボランティアとして携わっていたというが、次第に仕事に結びつくようになっていった。現在は知り合いの多い地元の昭島市や福生市のほか、事務所のある人形町などで事例を育てつつある。

「人と人との点をつないで、線を紡ぐのが“町のリノベーション”。人の笑顔を見るのがうれしい。様々な地域のプロジェクトにかかわれることは、単純に『楽しい!』の一言です」と声を弾ませる。

事例が揃えば他地域にも応用可能。今後は“町のリノベーション”を全国にも波及させていく意向だという。川口代表のさらなる奮起とともに、全国からにぎやかな声が聞こえてくることになりそうだ。

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vol.35

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