サービス力

におい退治で環境は激変 目指すは日本一の“消臭屋”

株式会社日本・消臭サービス

代表取締役

辻 義貴

写真/スギヤマオサム(STAPLE) 文/小幡奈々 | 2017.02.28

住宅のリフォーム等を手がけるなかで、“消臭”がもたらす特別な効果に気づいた辻代表。人々が暮らす環境を改善し、社会貢献の一端を担うという消臭ビジネスの可能性に迫る。

株式会社日本・消臭サービス 代表取締役 辻 義貴(つじ よしたか)

1979年、愛知県生まれ。高校卒業後、建設会社で働く傍ら、2000年に個人で輸入車販売を始める。その後、建設業で独立起業し、2006年、コンアフェット株式会社を創業。リフォーム事業をきっかけに消臭ビジネスに着目し、2011年、株式会社日本・消臭サービスを設立。消臭製品の販売、消臭施工、特殊清掃の他、遺品整理等を行っている。

「におい」はあくまでも感覚的なものであり、その快・不快度は千差万別。最大公約数をとるためには、“消臭”することが一番だ。

辻代表が経営するリフォーム会社でも、物件に染み付いたにおいが消せなければ引き渡しができないため、消臭は不可欠だった。独自に消臭方法を模索していたところ、効果が高く使い勝手の良い消臭剤と出合う。そのとき、辻代表はにおいを消すことをビジネスにできないかと考えた。そして新たに起業したのが、日本・消臭サービスだ。

「当社が手がける消臭施行は、壁紙などの上から消臭剤を噴霧器で散布し、嫌なにおいの元となる原因を酵素の働きで分解し無臭化します。においが強い場合には、物件の壁紙をはがす、床面をめくる、一部解体といった施工の後、状況に応じて消臭を行っていきます。

弊社が使用している消臭剤は、良いにおいを残し、嫌なにおいだけを消す力があるんです。酵素は細菌の増殖を制御することもできるので、防臭効果もあります」

酵素を主成分とした抗菌防臭効果を持つ、消臭スプレー。この製品との出合いが起業へとつながった。

一般的な清掃をはじめ、物件の消臭施工、消臭アイテムの販売など、快適な環境を提供するために消臭のエキスパート“消臭屋”として活動する日本・消臭サービス。現在、注力しているのはBtoB事業だ。

「例えば、トイレの消臭リフォーム施工。企業の場合、一日の使用回数が相当多く、飛び散った汚れや尿石がたまってどうしてもにおいが蓄積してしまい、普段の清掃だけでは消臭が追いつきません。芳香剤は感覚的ににおいを無くすだけで、根本的な解決にはならないので、専門業者の定期清掃はマスト。その点、当社は清掃だけでなく、消臭という付加価値があるのが強みです。会社でもコンビニでも飲食店でも、業績やサービスが良いところはトイレも清潔ですし、お客様への“おもてなし精神”があると判断されることも多いようです」

消臭によって得られる快適な環境は、日々の暮らしや働く環境にも変化をもたらすという。辻代表は、そんな消臭サービスを介護の現場にも生かしたいと考えている。

「うちで扱っている消臭壁紙は、閉鎖的空間に特に効果のある、ガラス繊維に人工酵素を染み込ませたものです。ある介護施設の汚物処理室に、試験的に貼らせてもらったところ、使用済みオムツなどが入っているゴミ箱を空けた状態にしていましたが、4年経った今でも、一度もにおいがこもることはありませんでした。これを、在宅介護のご家庭や、介護施設にご利用いただくことで、介護する側もされる側も開放的かつ衛生的な環境で過ごすことができます」

リフォーム業から思いがけないヒントを得て始まった、消臭サービス。高齢化が進む社会で、そのニーズは大きい。

「社会問題である高齢化において、一人暮らし世帯である単身世帯数の増加や近隣とのコミュニケーションも希薄化している状況にあります。ですから、異臭が発生し、玄関を開けるとお亡くなりになられた状態で発見される、といったことも少なくありません。

このような場合、親族が相続放棄をされてマンションオーナー様負担で遺品整理・特別な清掃・解体・消臭消毒・リフォームと高額になってしまいます。また、リフォームをしても事故物件には告知義務があるので家賃を下げなければなりません。

そこで私たちは、マンションオーナー様へ向けた孤独死保険の販売を通じて1戸当たり月々300円で原状回復費用保証100万円・家賃保証(12か月)200万円と、賃貸住宅の経営リスクを軽減する保険商品の販売もスタートしています。保険会社や管理会社・工事業者へ依頼することなく、ワンストップで完結するサービスを行っており、オーナー様の負担を無くすことができます」

要介護者、介護者、遺族、企業側、全ての立場に立ってサービスの質向上を考えている辻代表。ワンストップ完結型のサービスに加え、消臭スプレー「Soff」の販売も加速するなど、領域拡大の手は緩めない。

「“消臭は環境改善につながる”という認識を世間に浸透させるために、まずは部屋にトイレなど、身近な消臭施工の件数を増やしていけるよう目下計画中です。介護環境の改善においては特に力を入れていて、2020年までに介護関連の消臭施工を1万5000件、消臭剤は年間5万本のセールスを目標に掲げています」

消臭と言えば「日本・消臭サービス」と言われるような企業へ成長させるため、辻代表は“消臭屋”としての可能性を日々追求し続ける。

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vol.39

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