人材力

社員の思考を“可視化”すると経営が変わる 人材育成に革命を起こす「Lena Brain」

株式会社Lena

代表取締役

柳澤 奈々

写真/芹澤 裕介 文/竹田 明(ユータック) | 2019.10.10

エステサロンで人材育成に活用していた自社開発のWebシステム「Lena Brain」を、広く一般にも提供するために新会社を立ち上げた、株式会社Lenaの柳澤代表。彼女が「Lena Brain」に込める思いとは?

株式会社Lena 代表取締役 柳澤 奈々(やなぎさわ なな)

美容業界歴20年以上。健康寿命の延伸を目的とし、エステと国家資格者(鍼灸師・柔整師・管理栄養士・看護師・臨床検査技師)との融合エステを実現。わずか2年で店舗数を1店舗から9店舗展開。暖簾分けシステム、自社化粧品開発と推進している株式会社Lena代表取締役。また、現場の問題解決から生まれた株式会社LenaBrain代表取締役。

 

ただ「再現性を高めれば良い」だけではない、その先にある“できるできない”の問題

大手エステサロンでスキルを磨いて独立した株式会社Lenaの柳澤奈々代表。人材育成の効率化を図るため、自身の経験やスキルをスタッフと共有する方法を自ら編み出した。お客からヒアリングしながらプランを組み立てれば、誰でも柳澤代表と同じような施術内容を提供できる……はずだった。

「ツールに沿ってお客様とやり取りすれば、痩身のための最適なプログラムが構築できる仕組みをつくりましたが、全員がそれを使いこなせるわけではなく、“できる人とできない人”に分かれました。それはなぜかの探究を始めたのが、『Lena Brain』開発のきっかけです。人材育成にお金と時間をかけてもうまくいかず、どうすれば人を育てられるか悩んだ末に、『Lena Brain』が生まれました」

「Lena Brain」は、思考の可視化を実現するツール。パソコンやスマートフォンで設問に答えるだけで、その人の思考の状態を数値化・グラフ化して一覧表示してくれる。「コミュニケーション力」と「問題解決力」の2つのベクトルで、人の思考の現在位置を示し、より細やかな分類を通じて自身の足りない力を身に付けることで、成長することができる。

「人を育てるには、まずその人の思考の特性を知る必要があります。そのうえで、足りないものを加える方向でトレーニングすれば効率よく人材を育成できます。できないの一言で片付けるのではなく、“なぜできないのか”を『Lena Brain』で見える化し、それぞれのウィークポイントを明らかにして、それを高めるためのトレーニングを考えます」

できない人同士で仕事をしても成長しない。「Lena Brain」でタイプの違う人を組み合わせて成長の機会を創出することで、計算された質の高い人材育成ができるのだ。

「『Lena Brain』の結果は、本人にすべて話します。『あなたはここが弱いから○○さんから学んで』と意識付けてやることで、吸収力が格段に上がります。意識が変わると行動が変わり、成果につながります。するとさらに意識が変わり、良いスパイラルが生まれ、成長スピードが加速します」

「Lena Brain」での診断結果をもとに、スタッフと今後の成長について情報共有するのが人材育成を成功させるポイント。

テスト結果の指標で採用の合否を決めたり、個人の資質にあったポジションに付けたりするなど、「Lena Brain」は、採用や人材の配置でも活用できる。

「『Lena Brain』では、ストレス耐性や今のストレス状態も数値化されます。高ストレス状態にある人には上役が声をかけるなり、同僚にサポートしてもらうなりのケアができます。

頑張りすぎてリミットに達しているときは、誰かに声をかけてもらって、今の気持ちを話すだけでも心が軽くなりストレス値は低下します。深刻な場合、早期に異動させてあげる、という判断もできるようになります。ストレス値が高いということは何かしらの原因がありますが、それを一緒に解決すると人は辞めません」

人材確保に関しては、採用と同じく離職防止も重要なテーマ。「Lena Brain」を活用すれば、人材の採用から育成、離職防止まで、人事の悩みを包括的に解決するための助けとなる。

「2年間、自社の店舗をモデルケースとした結果、1店舗が9店舗に増えました。人材の確保と配置の最適化ができないと、これほどの急成長は難しかったと思います。実績とデータを得たところで、『Lena Brain』を多くの人に活用してもらうため、2019年8月に株式会社Lena Brainを設立。ツールとノウハウの提供を始めました」

新会社では、「Lena Brain」を活用した集合研修、研修カリキュラムの構築、人材育成コンサルティングを提供。今後は、柳澤代表が2年間で積み上げたノウハウを、人工知能(AI)によってITツール化し、思考の見える化から人材育成の方法までを一貫したITサービスとして提供する予定だ。「Lena Brain」の導入によって人材資源を可視化し、社内データの有効活用を通して、組織力と人材力の強化が達成できる。

「人手不足は日本全体の社会問題です。『Lena Brain』で人材を育成し、一人ひとりが生産性を上げることで、3人必要だった仕事は2人でできるようになります。そうすれば、人手不足の解消にもつながりますし、新しいことに挑戦する時間も確保できるようになりますね」

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vol.40

「人とは真っ当に付き合え!」なぜ、幻冬舎・見城徹は圧勝し続けられるのか

株式会社 幻冬舎

代表取締役社長

見城徹

五木寛之の『大河の一滴』、石原慎太郎の『天才』。そして直近の浜崎あゆみをモデルにした『M 愛すべき人がいて』に至るまで――。数々のミリオンセラーやベストセラーを世に送り出し続けてきた幻冬舎の見城徹社長。 独特の“熱い言葉”が世の中に響き過ぎることもあるが、「圧倒的な結果」を残してきた背景には、見城社長が血のにじむような努力によって作家やアーティストとの関係を丁寧に築きあげ、彼らから絶大な信頼を得ていることが大きい。 人とのつながりをどう作り、強固なものにするのか? あらゆるプロたちに響く、人と仕事に熱狂するためのスピリットを伺った。
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