人材不足の日本を救う 世界に架ける希望の橋 | 株式会社ベルーフ 香月 広|注目の経営者|SUPER CEO

人材力

人材不足の日本を救う 世界に架ける希望の橋

株式会社ベルーフ

代表取締役社長

香月 広

写真/若原 瑞昌 文/竹田 明(ユータック) | 2017.05.31

人材紹介事業、店舗展開事業に加えて、留学生に日本での働き方を教える「オモテナシスクール」を運営する株式会社ベルーフ。留学生への就労支援を通じて日本の人手不足解消を目指す、香月社長が描く海外事業戦略とは?

株式会社ベルーフ 代表取締役社長 香月 広(かつき ひろし)

1955年生まれ。マネキンディスプレイ・店舗内装会社に約20年勤務。1997年、人材紹介事業・店舗展開事業を生業とする有限会社ベルーフを設立。1999年には株式会社へと変更し、デベロッパーサポート事業を開始。2014年に海外事業部を設立し、海外人材採用や教育事業に着手。2016年1月には、ベトナムに現地法人を設立し、日本語学校を開校、留学センターも開設した。

日本人を対象に人材紹介・派遣や200か所以上のスーパー・百貨店などでレジ運営業務を手がけてきたベルーフだが、少子化の影響で人手が不足し、対策に迫られるようになった。人手不足は、ベルーフだけの問題ではない。

飲食・販売業を中心に日本中どこも従業員の確保に頭を悩ませている。そんな日本の深刻な人手不足をなんとかしなければならないと、香月社長は立ち上がった。

「政府は観光立国を謳い、インバウンドの増加を目指しています。今や年間2400万人の観光客が訪れ、東京五輪が開かれる2020年には、年間4000万人の観光客を迎えようとしています。外国の方に来てもらうのは大歓迎ですが、日本で泊まって、食べて、買い物をする際、誰が接客するのでしょうか? 人がいなければ迎えられません。

一方、政府は留学生を増やす政策も進めています。2014年に23万人だった留学生は、2016年に30万人を超えました。若い働き手が海外から日本に来ているなら、彼らにも働いてもらおうと考えました」

しかし、留学生に働いてもらうには言葉の壁だけでなく文化や価値観の違いという課題もあった。留学生の側も日本の文化に慣れていないし、雇用する側も外国の文化を理解していないのだ。

「日本人と外国人の間には、働くことに対する意識の違いがあります。例えば、9時から勤務と言われれば、日本人なら10分前には着替えてスタンバイしているものですが、外国では違う。9時に来ればOK。これは、どちらが正しいという問題ではなく、文化や価値観の違いです。お互いにそれを理解するしか道はありません」

そこで、香月社長は、留学生に日本での働き方や生活の仕方を学んでもらうために「オモテナシスクール」を五反田の本社に開校した。無料で2週間の就労支援プログラムが受けられ、その後のアルバイト先も紹介してくれる。

五反田にある「オモテナシスクール」での研修風景。日本語学やマナーからはじまり、さまざまな業務における細かな所作まで学ぶことができる。

「電車の乗り方から携帯電話会社の紹介、ごみの出し方まで、日本での生活のイロハから教えます。もちろん、レジの扱い方や接客マナー、言葉遣い、飲食業でのオーダーの取り方など、留学生が人材として求められている業種にスポットをあてて、それぞれの仕事を一通り学んでもらいます。そして、作業の習得度や日本語のスキルに合わせて、適切な仕事先を紹介します」

最初は日本語学校を回って生徒を紹介してもらっていたが、その後はSNSで広まり次々と生徒が集まった。2014年の開校以来、卒業生は2600名を数え、大手の外食チェーンやスーパーなどを中心に紹介先もどんどん増えた。

2016年には、ベトナムのハノイに現地法人を設立し、日本語学校開校と留学センターも開設。「オモテナシスクール」も併設し来日前に研修、教育をしてから日本に来るという体制を整えた。

「日本語やビジネスマナー、商習慣、接客技術を学んでから来日するので、企業には『ベルーフの人材は長続きする』『シフトに穴が開かない』と喜んでいただいています。

留学生に対しても、就労支援だけでなく、不動産業者の紹介なども含めた生活支援に力を入れ、専門学校・大学への進学もサポートしていきたいと考えています。最終的には、留学生の就職支援も事業化し、グローバル人材を日本の企業に供給したいです」

2020年の東京五輪を見据え、それまでに1万人の人材を育成し、売上目標は200億円に設定。今後は、ベトナムだけでなく、ネパールやミャンマーなどにも海外拠点を増やす予定で、東南アジア最大の人口2億5000万人を誇るインドネシアへの進出ももくろんでいる。

さらに、構築した海外でのネットワークを生かし、国内の専門学校や大学に生徒を紹介する事業も手がけていきたいと、香月社長はビジネス展開の構想を語る。

「少子化の進行によって、生徒不足に悩む専門学校や大学が国内にはたくさんあります。そこに生徒を紹介することがビジネスとなるだけでなく、ひいては国内の労働力を引き上げ、社会全体の人手不足の解消につながると考えています」

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vol.27

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