抗がん剤治療専門院のモデル構築で医療改革を | 大垣クリニック 大垣雅晴|注目の経営者|SUPER CEO

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抗がん剤治療専門院のモデル構築で医療改革を

大垣クリニック

院長

大垣雅晴

写真/田村和成 文/中野祐子 | 2015.11.30

患者と家族を深く、長くケアしてきたいと開業した大垣院長。敏腕消化器外科医が新たに目指すがん治療とは。その一途な思いを聞いた。

大垣クリニック 院長 大垣雅晴(おおがき まさはる)

京都府立医科大学医学部卒。外科医として消化器(食道・胃・大腸・肝ぞう・膵ぞうなど)のがんを中心に肺や乳腺などの手術に携わる。京都第二赤十字病院、六地蔵総合病院などで要職を歴任。2015年、大垣クリニック開業。抗がん剤治療専門クリニックとして全国展開も目指す。

外科医として病院に勤めていた大垣院長は、優れた執刀技術と豊富な知識で、消化器のがんを中心に多くの命を救ってきた。しかし、手術後間もなく患者を退院させる病院のやり方に「患者と家族のために、まだやるべきことがあるのに……」とジレンマを感じていたという。

「がんは、外科治療や薬物療法を総合的かつ継続的に行うことが必要です。しかし、国は手術後の長期入院を減らし、薬物療法は通院、または地域の医療機関で行う方針を打ち出しています。一方で診療報酬の削減により、外来の増加は病院の経営を圧迫。地域の医療機関は薬物療法を行う体制が整っていないのが実状です」

医療制度と病院経営のひずみによって、行き場を失った患者と家族を救いたい――。大垣院長は開業を決意する。

最近、学生時代に夢中になっていたバンド活動を再開。激務にあっても人生を楽しむことを忘れない。

「抗がん剤治療は再発防止だけでなく、手術前の投与や薬物のみでの治療などさまざま。薬剤も進歩し、種類や投与方法も多様化・複雑化しているので、専門医が患者個々に合わせて投与しなければ効果を期待できません」

抗がん剤といえば副作用が懸念されるが、「患者に苦痛を与えるのは治療ではない」という思いの下、その研究も極めてきた大垣院長の治療では、副作用はほとんどない。また、末期に行うと思われがちな緩和治療を早期や手術前にも行う。

「非科学的かも知れませんが、患者の『治りたい』、家族の『支えたい』という前向きな気持ちも大切。少しでも不安があればとことん話をして、ラクになるお手伝いするのも私の仕事です」と心に寄り添うことも忘れない。

開業すれば高度な執刀には携われない葛藤もあったそうだが、人材の育成に視点を切り替えることで乗り越えた。

「私一人の執刀数は限られていますが、人材を育成すればおのずと執刀数が上がります。抗がん剤治療も、人材を育成し、全国各地に専門クリニックができれば、患者が困ることはありません」

今後は大垣クリニックをモデルに追随するクリニック、医師が増えることも目指すという。また、開業後、大垣院長には大変驚いたことがあった。

「疾患の発見のためと、培った技術を生かせる内視鏡検査・手術を行っているのですが、痔の患者があっとう間に1,000人を超えて。治療してくれる病院が分からない、行きにくいと困っておられたのでしょう。こちらもさらなる対応を考えます」と構想が膨らむ。

日々の激務のなかでも「患者にも生きがいを持って、明るく治療してもらえるよう尽くしていきたい」という大垣院長の笑顔と決意は、これからも患者と家族に希望をもたらしていく。

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