サービス力

企業の規模は、大小関係なし ニュースタンダード「ESG経営」のススメ

FOSCHIA JAPAN株式会社

Founder & CEO

長谷川 幸世

写真/芹澤裕介 文/竹田あきら(ユータック) | 2022.07.11

欧米の企業が積極的に取り入れる「ESG経営」。経営における現代のスタンダードだと、FOSCHIA JAPAN株式会社の長谷川幸世代表は唱える。ESG経営の必要性について話を聞いた。

FOSCHIA JAPAN株式会社 Founder & CEO 長谷川 幸世(はせがわ こうせい)

FOSCHIA JAPAN株式会社 Founder & CEO、FREE UNIVERSITY学長。埼玉県熊谷市生まれ。単身オーストラリアの高校に渡り、卒業後はイギリスの大学へ進学、哲学を学ぶ。帰国後は、英語力を活かし、外資系企業での勤務を経て、2016年に独立。ESG や SDGs といった社会貢献活動に従事している。

「ESG経営」は、中心に置くべき企業経営のスタンダード

「ESG経営」という単語を耳にする機会が多くなった。「ESG」とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字。この3つに配慮しながら経営することを「ESG経営」と呼ぶ。

「日本ではESGをCSRの延長として捉える向きがありますが、CSR(Corporate Social Responsibility)は企業が自社の余力を社会貢献に向ける社会活動であって、ESGは環境・社会・企業統治を事業の真ん中に据える経営手法です。欧米の投資家は、ESG経営を推進する企業を選んで資金を投資する傾向にあり、企業の経営者はESG経営の導入を迫られています」

会社の持ち主は「株主」。株主のなかに「機関投資家」と呼ばれる一大勢力がある。国民年金や厚生年金、退職金の積立て、保険金などの運用資金だ。個人はもちろん、企業や金融機関でさえかなわない資金力を持ち、金融の世界で大きな力を持っている。

「機関投資家の多くは、長期利益、安定収益という運用をベースにしています。投資先の企業を選ぶ際にESGが指標とされます。ESG経営をしていない企業には、資金が集まらず株価が下がります。その機関投資家が運用している資金、実は『国民』のお金なんです。年金も退職金も保険金も、私たち市民のお金です。機関投資家はそれを預かって運用しているだけ。つまり、企業がESG経営を取り入れることは、私たち市民の声を反映させることなんです」

機関投資家がESG投資を進める理由は、消費者のニーズの変化にある。環境保全や社会貢献は、消費行動の中心になってくる。Z世代、ミレニアム世代と呼ばれている人たちは「サステナブル」や「エシカル」といった言葉に敏感。ビジネスを成功させるためには、企業も環境保全や社会貢献を意識して経営判断をせざるを得なくなる。

「ESG経営は現代の企業経営のスタンダードです。もはやCSR活動でイメージアップを図る時代ではありません。ESG経営を企業活動の中心に置かないと、投資家からも消費者からも見捨てられます。一昔前CSR活動は、大企業がやるもので、中小企業には関係ない話でした。しかし、これからは企業規模の大小は関係ありません。企業が生き残っていくには、ESG経営はマストです」

「ESG経営」に必要な経営指標をつくるところからサポート

ESG経営の必要性に気がついても、何から手を付けていいのかわからない経営者も少なくない。FOSCHIA JAPAN株式会社では、ESG経営に必要な経営指標をつくるところからサポートしている。

「外資系のコンサルティングファームや証券会社のコンサルティングは、企業が用意したデータを見てあれこれ助言するだけです。当社のコンサルティングは、会社の経営にまつわる数字を集めるところから手掛けます。そんな泥臭いコンサルティングをしているコンサル会社はありません。BPO事業も手掛けているからノウハウがあります」

大企業だけが意識していれば済む問題だった「ESG」。近年は取引先にもESGやSDGsへの取り組みを求めるようになってきていると長谷川代表は指摘する。

「サプライチェーン全体でESGを強化する流れにあります。中小企業もESGを意識した経営をしないと、上場企業を中心に取引先が減っていきます。当社では、ESG経営を自社に取り入れる際には、全面的にサポートしますし、無料のSDGsコンサルティングも用意しています」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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