人材力

多様性と新しい時代の美容師 コングロマリット構想が業界を変える

LINKTH

代表

深作悠太

写真/芹澤裕介 文/竹田 あきら(ユータック) 動画/ロックハーツ | 2020.03.10

2019年8月、埼玉県大宮市にオープンしたヘアサロン「LINKTH(リンクス)」。サロン経営にとどまらず、事業の多角化を目指す深作代表。訪問美容と美容のコングロマリットという美容業界を成長させる新しい視点と、そのビジョンを聞いた。

LINKTH 代表 深作悠太(ふかさくゆうた)

1987年生まれ。中学生の頃からヘアサロンに通ってスタイリストに憧れを抱き、高校を卒業後、国際理容美容専門学校に入学。卒業後は埼玉にあるヘアサロンに就職し、スタイリストの道を歩み始める。2013年、兄の友人がヘアサロンを開業する際に声がかかり、役員として店舗の立ち上げから携わる。2019年8月、大宮駅前の好立地に「LINKTH」をオープン。

平等に活躍できる“全輪駆動”の組織づくり

「会社は社員ファースト・社員は顧客ファースト」

「社員の自主性、多様性の尊重」

これを理念に掲げる、ヘアサロン「LINKTH(リンクス)」深作悠太代表は、社員それぞれがどんなスタイリストになりたいかを考えて動くよう促している。店で働くスタイリストは年齢も性別もバラバラ。深作代表は、スタッフにとってLINKTHを自分のやりたいことが実現できる場にしたいと語る。

ナチュラルスタイルを得意とする「LINKTH」。大宮駅から徒歩30秒と好立地で落ち着いた大人の空間。口コミでも高い評価を得ている。

「社員のやりたいことは、時に相反することもあります。そんなときもアドバイスはしますが、口出しはしません。現場で働くスタイリストが自分たちで答えを見つけてほしいからです」

深作代表が重視する全輪駆動の組織。社員一人ひとりが考えて動く組織を目指している。そうして現場をスタッフに任せることで、深作代表は会社の経営に専念でき、ヘアサロンの運営にとどまらず、会社としてより幅広い事業展開が可能となる。

そんな深作代表が現在構想を進めている新規事業が2つある。美容コングロマリットと訪問美容だ。

「専門学校を卒業後、就職したサロンで待っているいわゆる“下積み”。そこで覚えるであろう現場での仕事を教えるスクールを開校したいと思っています。このスクールを開校することで、美容に携わる者が多角的に活躍できる道をつくります。

例えば、ヘアスタイリストだけでなく、サロン経営者やスクール講師といったキャリアなど。もちろん、ネイリストやアイリストなどとの組み合わせも可能です。つまり、複数のキャリアをうまく組み合わせた生き方ができる。それが私の考えている“美容コングロマリット”です」

ホリエモンが「寿司職人が何年も修行するのはバカ」と発言して物議をかもしたことがあった。美容師業界でもヘアスタイリストになるために、スタッフは長い期間下働きをすることが多いことに対して、深作代表も自らの考えを話す。

学生の頃からサッカーを続けている深作代表。今でも社会人チームに所属しているが、サッカーからも組織づくりにおける「多様性」の大切さなど、学ぶことは多いと語る。

「会社はしっかりと学べて早くスタイリストになれる環境を用意し、スキルを身に付けキャリアアップしていくことが大事。『先輩の言うことは絶対』と教え込まれる古い体質は、今の時代にそぐいません。LINKTHが全輪駆動の組織を掲げる背景には、スタッフが平等に活躍できる組織にしたいという思いがあるからです」

「美容師でもありエンターテイナーでもある」

もう一つの事業、訪問美容に関しては、すでに具体的な動きがある。新会社を設立して深作代表自ら介護施設を訪問してヘアカットやヘアカラーのサービスを提供している。しかし、この訪問美容事業には隠れた狙いがある。

「介護施設にいる方々と髪を切る間にコミュニケーションするのが目的です。私たちスタイリストは髪を切るだけでなく、その時間を楽しんでもらう“エンターテイナー”でもあります。外部の人とコミュニケーションすることで、おじいちゃんやおばあちゃんに元気でいて欲しいと思い、訪問美容の仕事をはじめました」

深作代表の祖母が足をケガして入院したとき、話し相手がいないことでどんどん元気を失っていくのを体験した深作代表。時間を見つけては祖母の元に足繁く通って話し相手になり、それがきっかけで祖母が元気を取り戻したことが、訪問美容事業を始めた理由だという。

今後、益々多様性が注目される時代において必要となるのは、社員の個性であり独自性の高いサービス。LINKTHのように先見の明をもった全輪駆動の組織こそ、先陣を切って業界を成長させていくのだろう。

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vol.42

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