商品力

業界未経験という短所を長所に橋梁用伸縮装置のトップを目指す

株式会社クリテック工業

代表取締役

若林勇二

写真/若原瑞昌 文/梅中伸介(verb) | 2021.11.10

父親が社長を務めるクリテック工業を継いだ若林社長。橋梁用伸縮装置の調査・設計から製造・販売・施工までを手がける同社での奮闘について聞いた。

株式会社クリテック工業 代表取締役 若林勇二(わかばやし ゆうじ)

大学卒業後、判事を志して司法試験にチャレンジするも断念し、人材派遣会社や出版会社で主に営業を担当しトップセールスを記録。新会社の設立にも携わり、新規開拓営業も経験した。その後、代理店統括業務などを経て、2004年、父親が代表取締役を務めるクリテック工業に入社。2007年から代表取締役に就任し、現在に至る。

異業種からの挑戦
だからこそ見えた成長への突破口

人材派遣の営業マンとして華々しい実績をあげた若林社長が、新天地を求めて飛び込んだのは、株式会社クリテック工業という、父親が営む橋梁用伸縮装置メーカーだった。

入社当初は専門用語が飛び交う現場への戸惑いもさることながら、独特の商習慣への戸惑いもあったそうだ。

「人脈に頼った営業が中心で、知り合いを介して担当者に会い、商談をする流れがほとんどでした。紹介による営業だったため、受注率は9割近かったのですが、買い叩かれて、ひどい赤字を抱えていました。資金繰りも苦しく、将来利益が出ても、経営が苦しくなるのは目に見えていました。そこで取引先に行き、支払い条件を変えてくださいとお願いして回りました。応じてくれるところもありましたが、2社くらいは取引停止(現在は取引再開)になりましたね。まだ平社員の時代からそんなことをしていました」

橋梁用伸縮装置は橋台と橋桁の隙間に取り付けられ、走行の安全性や騒音低減を担う。

さらに父親からは「業界では通用しないし、みっともないからやめなさい」とまで言われたが、前職で培った営業ノウハウやバイタリティを発揮して、人脈に頼った営業からの脱却に挑戦する。このままでは成長が頭打ちになってしまうという危機感があったのだ。積極的に新規開拓を行い、次々と新しい案件を獲得していく。

そして気がつけばトップセールスを記録するほど、営業成績を伸ばしていったのだ。その結果、会社を入社当時の3倍の規模に成長させたという。

「新しい人材もたくさん採用して、営業力をさらに強化することで、ゆくゆくは橋梁用伸縮装置のトップシェアを目指したいですね」

競合他社にないメリットは、橋梁用伸縮装置の調査、設計、製造だけではなく、販売から施工までを一手に引き受けることができる点にある。施工の現場を知るからこそ、ニーズに合った魅力的な製品を開発できるわけだ。確かな商品力に、営業力が加わり、急速に業績を伸ばしている。

社会に残る会社を目指すという若林社長の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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