サービス力

キャリアを捨てて開業へ医療の世界、改革目指す

ふるたクリニック

院長

古田一徳

写真/片桐圭 文/船山壮太 | 2013.06.10

大学病院の准教授というキャリアを捨て、ふるたクリニックを開業。キャリアの頂点を目前にして、開業を目指した理由とは……。

ふるたクリニック 院長 古田一徳(ふるた かずのり)

北里大学医学部卒業。医学博士、大学卒業後、消化器外科医となり肝臓、膵臓、胆嚢などの分野を専門として大学病院に勤務。講師、准教授を務めるが、現場主義を貫きたく、2010年ふるたクリニックを開業し、新しい治療法の選択枝を提示している。

「バカじゃないの?」。これが、長年勤務して、准教授にまで昇りつめた大学病院を辞めると言った時の周囲の反応だった。医者のキャリアの頂点とも言える、教授まであと一歩。そんな時に、古田院長は開業という茨の道を選んだのだ。

「大学病院のできる範囲は保険診療までです。私の専門とする肝臓、膵臓などの難しい臓器は発見が遅く、大学病院では手の施しようがない状態になり、患者さんを最後までお世話することができないケースが多いのです。この状況にジレンマを感じ、最期まで『諦めない診療』ができる開業医を選んだのです」

血液クレンジング療法(オゾン療法)は、採取した血液に医療用のオゾンを注入し、体中の血液をサラサラにする。ちなみに取材日当日、古田院長は自分の血を抜いて解説してくれた!

当時、大学病院に勤務し、手術の合い間に近所のファミレスで医療コンサルタントと打ち合わせを繰り替えした。開業の準備が整ったところで、病院に辞意を伝え、そして冒頭の言葉に戻る。

現在、ふるたクリニックでは通常の保険診療も行う一方、末期のガン患者や難病の患者への保険外診療も行っている。費用は患者の自己負担。それでも"希望"を求めて、多くの人が訪れているという。

「血液クレンジング療法(オゾン療法)、高濃度ビタミン点滴療法など、延命するための治療法はたくさんあり、実際に治療効果もあります。こういう治療法は副作用もなく、安全なものが多い。確かに費用はかかりますが、選択肢のひとつとして知ってもらうことが大切です」

開業は夢の第一歩。さらに、医療業界から外に出て、多くの経営者と出会ったことで、医療の枠に捉われないビジネスプランも。

「例えば、配送会社と組んで宅配点滴を行ったり、クラウドサービスを使って診療を行ったりと、畑の違う経営者の方々と組むことで、これまでにない医療サービスが実現できると考えています」

そして、「僕には夢があるんです」とも。

「いずれは都内に大きな老人保健施設をつくりたいです。内部の仕事はすべて老人たちのスキルでまかない、生き甲斐を感じてもらえるような施設です。治療はオゾン療法を中心にまかないます」

まさに「医療界の異端児」とも言える発想力と行動力。この先、どんなアイデアを現実にするのか、楽しみだ。

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vol.38

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國分利治

美容室業界は飲食業界と並んで浮き沈みの激しい世界。店舗数はコンビニの約4倍に上り、開店・閉店のサイクルも早い。そんななかで1989年の創業以来、安定した成長を続け、全国で約250店舗を展開するアースホールディングス。なぜこの会社は生き残り続け、業界有数のポジションを築くことができたのか。
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